将棋・藤井聡太七冠が竜王戦第5局に勝利 4連覇まであと1勝
将棋の第37期竜王戦七番勝負(読売新聞社主催)の第5局が27、28の両日、和歌山市で指され、藤井聡太竜王(22)=名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖と合わせ七冠=が挑戦者の佐々木勇気八段(30)に勝ち、対戦成績を3勝2敗として竜王4連覇まであと1勝とした。第6局は12月11、12の両日、鹿児島県指宿市で指される。 【写真】竜王戦第5局に臨む藤井聡太竜王=2024年11月28日、和歌山市、日本将棋連盟提供 今回のシリーズは先手番を持った側が勝利し、4局を終えて2勝2敗で本局を迎えた。先手番は作戦選択で主導権を握れるなどやや有利とされている。 本局は、後手番の佐々木八段が自身の中では珍しい「雁木」と呼ばれる形を採用して作戦を工夫し、先に馬をつくって中央付近で手厚い陣形を築いた。しかし、藤井竜王は端に設置した「遠見の角」を起点に盤面の右辺を制圧し、中盤で優勢に立ってからは後手の粘りを許さなかった。 終局後、藤井竜王は「第6局はこちらが後手番になる。ここまで(後手番だった)第2局と第4局はどちらも作戦負けから押し切られてしまう形になっているので、まずは序盤でうまく立ち回れるようにしっかり準備をしていきたい」と次局を見据えた。 佐々木八段は「本局は藤井竜王にうまく指されてしまい完敗だった。自分では考え抜いて指したつもりだが、どこが敗着なのか今はわからない。そういうところを改善して次に向かいたい」と語った。(杉村和将)
朝日新聞社