厚底ブーム火付け役のナイキ、着用率アップ目指して選んだ漢字は…
陸上長距離界の「厚底シューズ」ブームの火付け役となったナイキだが、最近は他メーカーの巻き返しを受けている。そこで今シーズンは以前の「ピンクシューズ」と異なるデザインのコンセプトで新シューズを作った。 【写真特集】101回目の箱根駅伝がスタート 2020年以降、新春恒例の全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)や箱根駅伝などでナイキの厚底シューズを履いた選手が好記録を相次いで出した。21年正月の箱根駅伝では、9割超の選手がナイキ製のシューズを着用。鮮やかなピンク色のデザインも注目を集めた。 しかし、アシックスなど他のメーカーも厚底シューズを開発し、「1強」のナイキを猛追した。24年正月の箱根駅伝では、ナイキは依然トップだが、出場選手の着用率は4割程度まで落ちた。 ナイキの担当者は「他社の追い上げで市場競争は年々激しくなっている」と危機感を抱く。そこで機能性だけでなく、デザインでもランナーたちの要望をくみ取ることにした。 ナイキの今回の駅伝シーズンに向けた新作シューズは、白地にインパクトのある炎のデザインが特徴的だ。かかと部分に「駅伝」という漢字も記されている。 炎のデザインは、かつて整備されていない夜道を走るランナーのために足元を照らしていた「たいまつの炎」から着想したものだ。 担当者は「近年は(ピンクなど)単色が多かったが、選手からは『目立つシューズで走る方が気分が上がる』という意見が多かった。一生に一度になるかもしれないレースで気持ち良く走ってほしい」と説明する。 ピンクに続き、「駅伝」の文字が箱根路で注目を集めるか。【磯貝映奈】