「揚げ物油」で飛行機が飛ぶ 航空燃料を廃油から造るプロジェクト 回収や安定供給の問題解決なるか
■「廃食油の争奪戦みたいなことになっている」
しかし最近困ったことがあるそうで…。 【レボインターナショナル 越川哲也CEO】「ここへきてSAF(の需要)というもので引っ張られて、廃食油の争奪戦みたいなことになっている」 最近では、海外のSAF製造業者が、店にレボインターナショナルの何倍もの金額を提示して、使用済み油を買いあさっている事例もあるそうです。 【レボインターナショナル 越川哲也CEO】「(取引先から)『他の業者がこんな値段で買うと言ってるんだけど、レボさんも買えるか?』と。そうすると、結局値段競争にしてるのは、他の業者がしてるんですけれども、その値段で買ったら、結局、ANAさん、JALさんに供給できる価格ではできないんですよね」
■新たな協定 一般家庭の使用済み油を提供
そんな中、レボインターナショナルや堺市などは22日、地域に眠っている資源の有効活用を目的に新たな協定を結びました。 ショッピングモールに回収BOXを設置。一般家庭から出た使用済み油を提供してもらう取り組みです。 【油を持って来た堺市民】「夢があります。要らないものが資源になって」「飛行機がこれで飛ぶとお聞きしたので。いつも捨てるものなので、活用していただけるならいいなと思って持ってきました」 次世代の燃料「SAF」。私たちが使った油で飛行機が飛ぶ時代はもう目の前にきています。
■油の回収方法は? 「スーパーで回収箱設置があれば」
大阪の堺でもSAF の製造が始まるということなんですが、日本のSAF製造は、世界と比べて遅れている状況です。 専門家によると、SAFの目標10パーセントを目指すなら、およそ1年に170万キロリットルの製造を目指さないといけないんです。世界では食用油の争奪戦になる可能性もあるそうです。 日本では国内でSAFを作るための油そのものも足りていない状況で、家庭で使われている油は年間およそ10万トンありますが、ほとんど廃棄してしまっています。家庭で使っている油をどう回収するのかが問題です。 【関西テレビ 神崎博報道デスク】「取材にもあったように、ショッピングモールの回収箱みたいなものを、例えば各食品スーパーで身近に回収できる箱を置いてもらったら、買い物のついでに持って行ったりできるかもしれません。お豆腐屋さんのようにローリーみたいなもので、家の前まで回収に来てもらうとか、そういう仕組みがあれば便利かと思います」 SAFの国内製造はこれから進んでいくということで、堺市の工場では来年度のはじめごろからSAFの供給を始めるということです。 (関西テレビ「newsランナー」2024年11月22日放送)
関西テレビ