「衝撃のオチ」「地獄のような漫画」とトレンド入り 話題の漫画『娘の弁当が気に入らない!』、作者に聞く背景
大好きな「食べ物の話」に「親子の確執」を
―― 「娘の弁当が気に入らない!」はどのようなきっかけや着想から生まれたお話なのでしょうか ぱん田ぱん太 きっかけは完全創作漫画の依頼です。ゼロから作品を生み出すにあたり、最初に浮かんだのは「食べ物が関係するお話を描きたいな」でした。私は小さい頃からおいしそうな食べ物が出てくる絵本が大好きで、現在は食べ物のイラストを描くのが好きだから、というシンプルな理由です。 そのうえで、親子の確執というものを組み合わせて描いてみようと思いました。そしてそれは作品を読んでくださった皆さんはご存じの通り「1人の親と1人の子」の話には留まらないし、「ただの1世代だけの確執」では終わらないということです。 ―― SNSでは「途中までエッセイ漫画だと思っていた」とのコメントもありました。エッセイ漫画風の形式にはどのような狙いがありますか ぱん田ぱん太 エッセイ漫画形式のほうが、心に入ってきやすいと個人的には思っています。感情移入、自己投影、共感などをしやすいというか。特に私の漫画を読んでくださる読者さんは20代以上の女性が中心ですし、子どもがいる主婦の視点で進む物語はより楽しんでもらえるかなと思います。 ―― 執筆にあたってこだわった部分を教えてください ぱん田ぱん太 とにかく主人公の桃子さんの心理描写をしっかりするということです。彼女は「母親としての感情」「女としての感情」「妻としての感情」「娘としての感情」「上司としての感情」などいろんな立場の自分に振り回されています。その不安定な心が伝わってほしいと思いながら描きました。 ―― Xではトレンド入りするほど話題となりました。この大きな反響についてご感想をお願いします ぱん田ぱん太 漫画そのものへの感想もすごく楽しかったんですが、トレンドをきっかけに見たかたから「この絵柄、見たことある!」「この作者さんの漫画が以前バズってた(編注:「インスタにネイル写真をアップしたら最強にめんどくさいことになった」)のを読んだことがある!」というお言葉が届いたのがとてもうれしかったです。 漫画を描いている身として「絵柄がアイデンティティとして成り立っている」のはとても特別でうれしいことですし、たまたまバズっていたときに楽しんだ漫画を忘れてしまうのではなく、頭の片隅に残していてくださっているかたがたがいるのが本当にうれしいです。 協力・画像提供:ぱん田ぱん太(@pandapantade/ブログ「ぱんをたずねて2000里ちょい」)さん
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