はやぶさ2、リュウグウ観測状況は? JAXA会見(全文3)今回が最後のイベント
MINERVA-II2投下後以後の予定は?
読売新聞:観測自体っていうのもまだ今後も行なったりするんですか。例えば低高度まで機体が降りて行ってリュウグウの表面観測するだとか、帰還に向けた準備以外の部分、観測的なところで今回のMINERVA-II2投下後以後に予定しているものとっていうのは何かあるものなんでしょうか。 久保田:タッチダウン、それからインパクタ、それでまたタッチダウンっていうことを行なって、今回ローバ2っていう分離もありますけど、基本的に観測は常に続けておりまして、基本的にはBOX運用というところで、高度約20キロメートルで、横に動いたり少し高度を下げたりっていうことの観測は今までもずっと続けてました。これからさらに高度をずっと下げて何かするっていうことは今は考えておりませんで、基本的には今回の高度1キロメートルまで近づいて分離するというのが再接近の最後になるかなというふうには思っています。 読売新聞:最後です。ターゲットマーカー残り1個残ってると思うんですけど、これは何かこのあと使い道というかあるものなんでしょうか。 久保田:全部で5つであって、2つ使って残り3つだったんですけども、全部これに使うというよりも1つ残しておいて、使い道というのは特にまだ考えていません。地球に戻ったときに落として流れ星にするような話もなくはないんですけど、まだ実際に何も決まってないんですけど、1つは残しておこうということで今は残っております。 読売新聞:分かりました、ありがとうございます。 司会:では次の方。それでは一番こちらの白いシャツの方。
ローバ分離によって改善する可能性は?
NHK:NHKの【フルイチ 00:43:30】といいます。吉田先生にお聞きしたいんですけども、ローバを分離することによって状態が改善するという可能性はまだあるんでしょうか。 吉田:若干ではありますが可能性はあると。あるかないかと問われれば可能性はあると考えております。これは現在起きている事象が主に電源系とリンクしたトラブルでございまして、今は探査機本体から電源をいただいて起動をするというような、そういう状態でのテストをしてきたとこでございますけども、これが切り離されて今度はローバ2表面の太陽電池セルからの電源系に切り替わりますので、そこで何か事象が変わる可能性も平たく言いますとなきにしもあらずということなんですが、ただ、これまでのいろんな宇宙ミッション、私自身も経験したものも含めてですけども、経験上、やっぱりいったんオンボードの、特にFPGA周りの処理系がうまくいかなくなった場合には、一縷の望みを託していろんな状況を切り替えてもなかなか元には戻らないっていうケースが多いので、多くは期待はしておりませんけども、可能性はゼロではないというふうに考えております。