はやぶさ2、リュウグウ観測状況は? JAXA会見(全文3)今回が最後のイベント
トルク値が増加したとはどういうことか
毎日新聞:毎日新聞の【イケダ 00:34:05】と申します。セーフホールドのことについて伺います。今回、トルク値が増加したということなんですけども、これがちょっとどういったことなのか教えていただきたいんですが、金属の円盤が止まってしまったのか。それと異常値ということなんですけども、通常それがどれくらいのもので、今回どういったものだったのかということについて教えていただけますでしょうか。 久保田:リアクションホイールは円盤を回して姿勢を安定させたり、あるいは姿勢をある方向に向けたりっていうもので、今回、予備のホイールを試験したところ、回転はちゃんと回ってたんですけれども、トルク値という力情報ですけれども、少し抵抗があって回りづらかったのかなと。ただし止まってたわけではなくて、実際に所望の回転数にはいってたんですけど、ちょっと実際に少し抵抗値が大きかったということがありまして、1つは先ほど話しましたように、久しぶりに使ったのでちょっと回りにくかったかなというのもありますので、ちょっとその辺は調査をしているところでございます。 ですので、回らなかったというわけではないんですけども、定期的に時々、動かしてということをやっていたときに少し回りづらかったということがありましたので、ちょっと、時期はあれですけども、またもうちょっと回すようなことをして試験をすることも含めて、あと、どういうことが考えられるのかということも含めてチームで相談をしているところです。 毎日新聞:値として定量的に普段と比べてどうだったかというはいかがでしょう。 久保田:ちょっと定量的にはなかなか難しいんですけど、このぐらいのトルク値ぐらいかなっていうので、ちょっとそれを超えたら心配なので止めようかっていうようなことを考えていたのよりは大きかったということです。
前回はどういう状況でセーフホールドになったのか
毎日新聞:それと「はやぶさ2」の運用として、セーフホールドになったのは今回2回目だというふうに聞いていますけれども、前回はいつどういった状況で起こったのかということについてあらためて確認させていただけますでしょうか。 久保田:セーフホールドっていうと、なんか異常があったり危険だっていうふうにたぶん皆さん思うかなと思いますけれども、新宇宙はやはり往復30分ぐらいの時間遅れもありますので、何かあったときにはすぐに安全な状態、安定姿勢に持っていくということを行うので、どちらかというと危険な状態というよりもまず何かあったら考えましょうということで姿勢安定のためにスピンアップをして対応を試行するということを考えていますので、セーフホールドにつきましては特に新宇宙探査では1つの機能というふうに考えています。 今ご質問ありましたように、「はやぶさ2」につきましては打ち上げから2016年の10月に一度セーフホールドに入っています。このときは姿勢を大角マヌーバっていうとき、姿勢を大きく変えるときに一応、安全を見て、これ以上時間が掛かったらいったん安全にしようねということで設定した値をちょっと超えましたので、そこでいったんセーフホールドに入れてます。 ただ、これは1つの機能ですので特にアナウンスはしてなかったと思いますが、今回もある意味、安全姿勢に持っていったというか、1つの機能が実施されたということで、探査機自体はほかの3つのホイールで姿勢も安定してて全然問題なかったんですけれども、セーフホールドに入りました。 ただ、今回はリハーサルを予定していたスケジュールを変えるということを、1つの大きなイベント変更がありましたので、皆さまにアナウンスをしたと、そういう次第でございます。