インテリアのプロの自邸:LDKになじむ優しいキッチンは、掃除がラクで収納もたっぷり
LDKが一室空間の間取りでは、キッチンはインテリアの一部。存在感が強すぎるキッチンだと、落ち着いて過ごせません。6年前に注文住宅を建てたインテリアコーディネーターは、腰壁や扉に木をふんだんに採用。キッチン側の床は、掃除がラクになるように、水に強いモルタル風の素材を選びました。使い勝手がよく、LDKの空間になじんだ優しい雰囲気のキッチン。詳しく紹介します。 【写真】「いかにも台所」という感じのないおしゃれな見た目
自分でキッチンの仕様やデザインをプランニング
筆者の一家は夫と3歳娘の3人家族です。6年前、延床面積26坪の小さな2階建ての家を建てました。間取りは1階にLDKや水回り、2階に寝室や子ども部屋を配置しています。 家を建てる前はインテリアショップに勤務しており、スクールに通ってインテリアコーディネーターの資格も取得。そのスクールは設計事務所兼工務店もしていたので、家づくりも依頼することにしました。 そして、せっかくならと自宅の内装やキッチンを、自分でプランニングすることになったのです。
目指したのはLDKに溶け込む「家具」のようなキッチン
わが家の床は無垢のバーチ、壁は白でまとめて、全体的にナチュラルな印象にしました。小さな家でLDKは15畳。狭さを感じないLDKにするには、統一感を出すことがポイントだと考えました。 そこで、キッチンは、存在感が強いシステムキッチンは採用せず、周りの素材とマッチさせることに主眼を置きました。 ここからは、LDKのインテリアとなじませ、使い勝手のこだわりもつめ込んだ、キッチンのアイデアを紹介します。
キッチン側の床と壁は水に強いモルタル風の素材を採用
リビングダイニングとの空間をゆるやかに区切るため、キッチンの通路と、奥の壁にはモルタル風の素材を選択。床はサンワカンパニーで見つけたモルタライク、壁は左官塗料のモールテックスです。 モルタライクはビニルタイルなので、水や油が床に跳ねても掃除がラク。モールテックスは、自然な風合いがありながらも水に強く、キッチンにぴったりの素材でした。
油跳ねもひとふきできれいになるコンロ横のタイル
コンロ横には、汚れ防止と空間のアクセントを兼ねてホワイトのタイルを採用。リビングの壁を漆喰(しっくい)仕上げにしたので、空間になじむマットな材質にしました。手入れがしにくいと思うかもしれませんが、触るとツルツルとした質感。油跳ねもさっとふくだけできれいになります。目地はモールテックスの壁に合わせて、グレーを採用しました。