春日井CCのコース改修 “失われた30年”と“失われなかった30年”
だが、私たちは単に遅れを取り戻しただけではないとも言える。1964年開場の春日井CCには、新設コースが持たない歴史があり、記憶がある。今回、成長し過ぎた木を1200本近く切ったことで、かつての眺めがよみがえった。 例えば、14番ホールのフェアウェイに立てば、遠く春日井市や名古屋市の町並みを一望できる。「素晴らしい眺めだよ」とデール氏は何かを鼓舞するように言う。 「黄金時代のレガシーを取り戻すんだ。かつてゴルファーのために用意された景色、長く忘れ去られていた土地の記憶、印象的な数々の眺望をもう一度楽しむんだ!」 日本には同じように長い歴史を積み重ねてきたゴルフ場が数多く存在する。失われたようで、失われなかった30年。その時間の価値は静かに積み上がっている。(今岡涼太)
今岡涼太