「ディオール」、女性アーティストとのコラボにフォーカスした展覧会 高木由利子による作品も
20年春夏オートクチュールでタッグを組んだシカゴによるルームでは、彼女がデザインした刺しゅうのバナーが飾られている。また、アイコンバッグの“レディ ディオール(Lady Dior)”が世界のアーティストとコラボレーションするプロジェクト“ディオール レディ アート(DIOR LADY ART)”の一環として、アーティストのミカリーン・トーマス(Mickalene Thomas)やジョアナ・ヴァスコンセロス(Joana Vasconcelos)らがカスタマイズしたバッグも並ぶ。
これらに加えて、日本人写真家の高木由利子が撮影したビンテージの「ディオール」を身にまとったダンサーたちの等身大の写真も見どころだ。“ラ ギャラリー ディオール”のオリヴィエ・フラビアーノ(Olivier Flaviano)=マネージャーは、「ムッシュは、ドレスが実際にどう動くのかを想像することなしにデザインを成功させることはできないと語っていた。高木さんのこれらの写真は、それを如実に表現すると共に、ポエティックな魅力に満ちている」と評価した。
フラビアーノ=マネージャーは今回の展覧会について、1949年のムッシュがデザインチームのメンバーに囲まれ、メゾンを象徴する階段でポーズをとっている写真を指し、「ムッシュがいかに女性たちに囲まれていたかを物語っている。また、『ディオール』の仕事はチーム全員の努力で成り立っているという、マリア・グラツィアが大切にしている考え方も思い起こさせる」と語る。
同氏はまた、「このギャラリーは、展示物によってメゾンの歴史にどのような光を当てることができるかを見極める、ある種の実験室のような存在であることを目指している。今回の展覧会は、ファッションがモノとしてだけでなく、ファッションが発信するメッセージによって主体となりうるということを示すことが目的だ。女性アーティストの視点を通した『ディオール』の多様なビジョンは、さまざまなメッセージを伝えていくだろう」と説明した。
“ラ ギャラリー ディオール“は22年3月のオープン以来、ファッション史に残る数々のアーカイブにフォーカスした展覧会をローテーションで行い、およそ65万人が来場。今回初めて、「ディオール」と女性アーティストとのコラボレーションにフォーカスしている。