【有馬記念】アーバンシック好調キープ馬なりラスト11秒6 C・ルメール騎手「自信あります」
有馬記念の追い切りが18日、東西トレセンで行われた。美浦では菊花賞馬アーバンシックが、ルメール騎手を背にWコースで併せ馬。精神面の成長をうかがわせつつ、好調キープをアピールした。 【写真】追い切りに騎乗したルメール騎手と話す武井調教師 師走らしい冷たい空気を、菊花賞馬アーバンシックが熱くした。美浦Wコースでクラシックホースにふさわしい堂々とした走りを披露。久々に相棒の感触を確かめたルメール騎手は、納得の笑みを浮かべた。 「先週、速い追い切りをやっていたので、きょうは馬の反応を感じたかった。無理をせずにメンテナンスくらいの追い切りで、すごくいい感じでした」 午前9時過ぎに落ち着き払った様子で馬場入りし、道中はシホリーン(2歳1勝)を内から1馬身ほど追走。少しずつ加速して直線に向くと、馬なりながら雄大なフットワークで併入した。1週前の11日は同コースでラスト1ハロン12秒0(6ハロン80秒7)としまいの時計を要したが、この日は6ハロン83秒7―11秒6。見守った武井調教師も「秋2戦を使ったことによる肉体的な成長がきて、高い状態を維持できている」と合格点を与えた。 今春は皐月賞4着、日本ダービー11着と結果を残せなかったが、夏を越して心身両面で急成長。秋初戦のセントライト記念を快勝すると、菊花賞で2馬身半差Vを飾り、ラスト1冠をものにした。過去10年のグランプリで同年の菊花賞馬は【1・0・2・1】。2016年に勝ったサトノダイヤモンドの手綱を取っていたのはルメール騎手だ。 「大きな挑戦だけど、僕もサトノダイヤモンドで菊花賞と有馬記念をダブルで優勝したから、今年も勝つ自信があります。アーバンシックはパワフルで力強く走るのが強み。まだ伸びしろがあるけど、レベルアップしているし、僕はこういう馬が好き」 名手はパートナーに絶大な信頼を置く。05年には有馬記念初騎乗Vの離れ業。ハーツクライで驚きの先行策に出て、無敗のディープインパクト&武豊を撃破した。それから19年。今度はハーツ産駒のドウデュース&武豊に、ハーツの孫にあたるアーバンで立ち向かう。「ドウデュースはディープと少し似ているので、ドウデュースの前で競馬ができたらいい。いい結果を期待しています」。ジャイアントキリング、再び―。暮れの大一番で日本中をあっと言わせる。(吉田桜至郎)