アフィリエイト広告が不当表示、育毛剤EC会社に東京都が景表法違反で措置命令
東京都は10月10日、医薬部外品の育毛剤「MIHORE(ミホレ)」を販売するヴィワンアークスに対し景品表示法に違反するとして措置命令を出した。短期間で発毛や白髪改善が得られるかのようなアフィリエイト広告の表示が優良誤認に該当するとして違反を認定した。
東京都によると、2023年11月~12月頃にSNS上のバナー広告から遷移するアフィリエイトサイトにおいて、ビフォーアフター画像などと合わせて「効果が出るのは当たり前」「白毛ケアもばっちり」などと表示。あたかも成分の作用により短期間で外見上視認できるまで薄毛の状態が改善される発毛効果や、白髪の状態が改善し黒髪が生える効果を得られるかのような表示が、アフィリエイトサイトで行われていた。都はヴィワンアークスに表示の裏付けとなる根拠資料の提出を求めたところ、その資料の内容は表示の根拠とは認められなかった。
違反認定した表示のなかには「※イメージ」「※スタイリング効果」「※個人の感想であり効果効能を保証するものではありません」などと打消し表示をしているものもあった。ただ、東京都は「一般消費者が表示から受ける商品の効果に関する認識を打ち消すものではない」とし打消し表示として無効だとした。
東京都によると、ヴィワンアークスでは広告代理店やアフィリエイターに作成させた広告表示の内容を十分に把握していなかったという。そのためヴィワンアークスは自らの表示責任を否定したというが、「広告代理店等に広告内容の決定を委ねていた場合であっても、基本的に景品表示法上の責任は広告主にある」(生活文化スポーツ局)としている。 今回の措置命令を踏まえ東京都は、広告主はアフィリエイト広告に限らず不当表示の未然防止のため(1)広告の出稿前後の表示内容の確認(2)表示内容の根拠となる資料の保管――など必要な管理上の措置を講じるよう呼びかけている。 なお、東京都では2023年7月からインターネット上の不当広告表示を適正化する取り組みとして、「東京デジタルCATS」なる専門的知見を有する助言員チームの導入をしている。今回の措置命令は「東京デジタルCATS」からSNS広告への調査方法について助言を受けての執行となったとしている。