企画展で展示されている復帰請願の署名簿＝7日、鹿児島県徳之島町の生涯学習センター

　鹿児島県徳之島町の郷土資料館と町誌編纂（へんさん）室主催の「奄美群島日本復帰70周年企画展」が6日、町生涯学習センター1階で始まった。復帰運動の功労者である爲山道則、前田長英の功績を紹介する資料展のほか、復帰請願で集められた当時の住民1万3909人分の署名簿を閲覧できる。展示は26日まで。 　同町の役場新庁舎落成記念式典で実施した企画展に続く第2弾。「徳之島町から復帰運動を考える」と題し、亀津連合青年団長の爲山、徳和瀬青年団長の前田の2人に焦点を当て、両氏の功績と徳之島での復帰運動を約40点の資料で解説している。 　復帰請願の署名簿は奄美博物館が保管している資料の複写。署名者の氏名、年齢、押印が確認できる。同館の協力を得て旧亀津町8190人、旧東天城村5719人の署名を一部展示。全体の閲覧も可能になっている。 　町教委の担当者は「奄美博物館で署名の展示があった際、『徳之島でも開催してほしい』と反響が大きかった。『祖父母の名前があった』と喜ぶ来場者もいた」と話し、「署名を通して復帰運動の熱意を改めて感じてほしい。将来へ復帰運動を語り継ぐためにもぜひ家族で来場を」と呼び掛けている。