大阪・関西万博、身体的不自由を抱える高齢者、86%が「行きたい」、実際は98%が「行けない」
大阪・関西万博に行くことが困難な人の万博参加を実現するユニバーサルツーリズムプロジェクト「Let’s EXPO」はこのほど、身体的不自由を抱える全国60歳以上の男女対象とした「身体的不自由を抱える高齢者の万博参加意向調査」を実施した。これによると、86.4%が「万博に行きたい」と回答したものの、98.1%が「万博に行けない」と考えていることが明らかになった。 「Let’s EXPO」は関西イノベーションセンター、東京トラベルパートナーズ、住友電気工業によるプロジェクト。調査は2024年4月18日~5月31日に実施し。471名から回答を得た。 まず、身体的不自由を理由に外出(旅行など)を諦めたことがあるかどうか聞くと、90.9%が「ある」と回答。理由として最も多かったのは、「外出先までの移動が難しい」(59.7%)で、「体力・体調に不安がある」(51.6%)、「外出先でケアをしてくれる方がいない」(31.6%)が続いた。交通機関のバリアフリー対応に加え、外出先での休憩場所や医療支援の整備などが求められていることがわかる。 また、大阪・関西万博に「行きたい~どちらかというと行きたい」との合計は86.4%。「万博のようなイベントが好きだら」(36.5%)が最も多く、次いで「テレビや雑誌、インターネット等で大阪・関西万博の情報を見て、興味を持っているから」(34.6%)、「各国のパビリオンが楽しみだから」(25.9%)が続いた。
専用・多数が座れる休憩スペースを
一方で、回答者の98.1%が「実際は関西万博に行けない」と感じており、「行きたい」を11.7%上回った。「自力では行くことができない、誰かに連れて行ってもらわないと行けない」(56.9%)、「体力・体調に不安がある」(45.2%)、「金銭的に余裕がない」(27.2%)などの回答が多かった。 大阪・関西万博の会場にあったら現地に行きやすくなるサービスとして最も多く挙がったのは「会場内に専用の休憩スペース、多数の座って休める休憩スペース」(59.4%)。「万博会場までのバリアフリー交通アクセス」(32.7%)、「介護士・看護師・医師の会場内配置」(33.1%)、「マンツーマン介助サービス」(30.4%)なども求められている。同プロジェクトはこうした結果をもとに、現在企画中のサービスの改善を進めていきたいとしている。
トラベルボイス編集部