患者の心を癒す『ファシリティドッグ』の活躍 難病抱える医師をそばで支える介助犬「二人三脚。犬に癒しをもらって、そのエネルギーを患者に与えている」
落とし物を拾ったり、ドアを閉めたり。体が不自由な人の生活をサポートする「介助犬」。 ■【動画で見る】難病の医師を支える介助犬 徐々に歩けなくなる病いを抱えながら診察 介助犬をかわいがって患者は「痛みを忘れる」 大阪府泉佐野市の病院に、難病の医師を支える介助犬がいます。 病院の人気者としても活躍する、かわいいだけではない犬の役割とは。
■難病を発症した医師 犬との出会いで前向きに
高齢の女性と一緒に歩くのは、ラブラドール・レトリバーのジュリエット(5歳・メス)です。 大阪府泉佐野市にある、認知症患者が暮らす介護施設。週に1度、ジュリエットはこの施設を訪れます。 【グループホーム アムリタ 山下万友美さん】「認知症の方ばかりなんですけど、ものすごく刺激をもらっているので、ジュリちゃんって名前と、犬っていうことと、週に1回来てくれるっていうのが(記憶に)つながってますね」
【施設利用者】「ジュリちゃん、こっちよ。ジュリちゃん」 【施設利用者】「(ジュリエットの頭をなでながら)ありがとう。お利口よね」
同じく泉佐野市にある「佐野記念病院」。院内では、車いすに乗った男性がジュリエットを連れて診察室に入って行きました。 【患者】「先生は元気なん?」 【佐野記念病院 整形外科医 中村 薫さん】「元気みたいやな」 【患者】「良かったわ」 この病院の理事長を長年務めてきた、整形外科医の中村 薫さん(68歳)。ジュリエットは中村さんの介助犬です。 中村さんは、13年前に難病「HTLV-1関連脊髄症」を発症。脊髄の炎症で、全身がしびれて徐々に歩けなくなる上、治る見込みはありません。 座っていたソファに横たわるのもつらそうです。 【佐野記念病院 整形外科医 中村 薫さん】「いたたたた」 体の自由が奪われていく中、知人から勧められ、生活を支える介助犬としてジュリエットを迎え入れました。 【佐野記念病院 整形外科医 中村 薫さん】「『ひと目会ったその日から』ってやつ。『恋の花咲く時もある』っていう。目と目が合ってこの子がいいやと思って、ビビッときた」 【佐野記念病院 整形外科医 中村 薫さん】「ジュリ、テイクザスティック、スティック」 中村さんが指示を出すと、すぐさま頼まれた物を取って渡すジュリエット。 【佐野記念病院 整形外科医 中村 薫さん】「OK、グッド!」 介助犬として優秀なだけではありません。