患者の心を癒す『ファシリティドッグ』の活躍 難病抱える医師をそばで支える介助犬「二人三脚。犬に癒しをもらって、そのエネルギーを患者に与えている」
【佐野記念病院 整形外科医 中村 薫さん】「絶対離れないですよ。ものすごく安心感を持たせてくれる。それが一番ですよ」 トイレの時も、すぐそばで待っています。 【佐野記念病院 整形外科医 中村 薫さん】「ジュリ、ずっとここにおったやろ」 Q.ずっとべったりいる? 【佐野記念病院 整形外科医 中村 薫さん】「いつも」 第一線の医師として、多くの手術を執刀してきた中村さん。しかし、病気が原因でメスを手放しました。 【佐野記念病院 整形外科医 中村 薫さん】「今までやっていたことができなくなる。人を受け付けないような状態になって、うつ状態になります。この子(ジュリエット)が来るんですね。こいつも一生懸命だし、僕も一生懸命やってたら、体を動かしますよね。体を動かしたら食欲も出てくるし、だから気持ちも前向きになった」 ジュリエットに出会って心の余裕ができたことで、病気と向き合い、前へ進むことができました。
■日本では普及していない「ファシリティドッグ」の必要性
週に1度、医師として出勤する日は、ジュリエットも一緒です。消毒やブラッシングなど、衛生管理も欠かせません。 【患者】「おはよう。久しぶりやな」 ジュリエットは患者からもかわいがられています。 【患者】「本当、心がなごみますよ、本当。痛みを忘れます。一時的にね」 【患者】「仲良しです。一番初めの診察の時からいてるな。癒されます。(ジュリエットに話しかけ)聞いてるん?」 【佐野記念病院 整形外科医 中村 薫さん】「二人三脚なんだよ。ジュリエットから癒しをもらって、それを患者に与えている。そのエネルギーをね。自分が生きてる限り、動ける限り、(患者を)診てあげたいなと思うからやっている」 ジュリエットの“癒しの力”を病院でも生かしたい。 中村さんは、多くの人が訪れる病院でも、ジュリエットが普段通り過ごせるよう訓練しました。患者の精神面から治療を支える「ファシリティドッグ」という役割を担わせています。 その活躍は診察室以外でも…。