「人との触れ合いが楽しかったと思い出してほしい」保護犬・保護猫をきれいな姿に…ボランティアトリミングを続ける思い
飯田さんと大日方さんは「色々な方の協力があって今があるので、これからもご縁を大事にしていきたいです」とボランティアへの感謝を話します。 「わんちゃんの体調や皮膚の状態など、ボランティアの皆さんが情報をすぐに教えてくださるので助かります。ドッグランも職員の手作りですが、工事においてはボランティア方の旦那さんが工事関係のお仕事をしていて手伝ってくださいました」 「やれることは限られているけれど、今いる子たちの性格などを熟知して、お世話をして、一頭でも譲渡に繋げていくことが大切だなと。ここに収容されて3年になるわんちゃんがつい先日、引き取り手が見つかったんです。改めてお世話をしてきて良かったなと思えた瞬間でしたね」
■「安易に人間の都合で飼わないでほしい…」
収容される犬や猫たちの頭数は集計を見ると減ってはいるものの、さらに減らしていくには「高齢化」という大きな課題があると大日方さんは話します。 「(保護され引き取り手がないまま)高齢となった動物たちをどこで受け入れていくのか。まだ次のステップかもしれませんが、終生を看取ることのできる(高齢保護犬猫専用の)施設、人間でいう特別養護老人ホームのようなシェルターが必要だなと感じます。高齢の動物たちを救えるようになれば、より減っていくのではないでしょうか」 だからこそ、大日方さんは伝えたいことがあるといいます。 「安易に人間の都合で飼わないでほしい。動物を迎えるということは、自分が一人の子どもを産んでいることと同じだと思ってほしいです」 「本当に犬や猫を好きな人は自分にお金がなくなっても、動物のために生きると思うんです。それが本当の人間の気持ちだと思うんですよね。そのような人・心が育っていってくれれば、このセンターもいらなくなると思います。そのような時代が来てほしいですね」
◇◇◇ “動物愛護センター”と聞くと、マイナスなイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし実際に足を運んで見えてきたのは、今回お話してくださった飯田さん、大日方さんをはじめとした職員の皆さんが寝る間も惜しんで、一頭一頭のわんちゃん・ねこちゃんと丁寧に向き合っている姿でした。まだセンターに来たばかりでおびえている子、少し慣れてきてわずかに尻尾を振っている子…。様々な理由があるかもしれませんが、私たちの人間の都合でこれ以上罪のない、わんちゃん・ねこちゃんを傷つけてしまわないように、動物の命を預かることの責任の重さを今一度考えるべきだと実感しました。(日本テレビアナウンサー・市來玲奈)
【連載企画】『動物とともに生きる、』 コロナ禍で新たに犬や猫などの動物を飼い始める人もいます。ペットは幸せを与えてくれるかけがえのない存在。しかし同時に“命を預かる責任”が伴います。日本テレビ系列のニュース番組『news every.』のコンセプトは「ミンナが、生きやすく」。この連載では、動物とともに生きていくうえでの大切な気づきを取材します。