「もしうまくいかなかった時は監督のやめ時なんだろうな…」草彅剛主演『碁盤斬り』の白石和彌監督が明かす「覚悟」と、映画の“裏方”を目指した「青年時代」
---------- アウトローの世界を描いた作品を得意とし、2013年には殺人事件を題材にした映画『凶悪』で数々の賞を受賞して以来、映画監督としての地位を確立していった白石和彌監督(49歳)。その後、『日本で一番悪い奴ら』『孤狼の血』『凪待ち』『ひとよ』など話題作を次々と世に送り出してきた。最新作『碁盤斬り』は、ずっと時代劇を手がけたかったという白石の思いが叶った初時代劇作品だ。最新作に向けた覚悟と、これまでの歩みを語っていただいた(全4回の1回目)。 ---------- 【写真】主演・草彅剛が見せた「意外な姿」
「たぶん俺は終わるな」
「人気商売なので、お客さんに飽きられたら仕事はなくなるだろうなとか、中途半端なものを撮ったら誰からも声がかからなくなるだろうなというプレッシャーは常にあります。デビュー作はもちろん『凶悪』を撮ったときも、これでたぶん俺は終わるなとずっと思いながらやってましたから 『碁盤斬り』は初めての時代劇で、しかも草彅(剛)さんと組んでますから、下手なものは作れない。だからもしうまくいかなかった時は監督のやめ時なんだろうなという覚悟で撮影していました」(白石監督、以下「」内の発言は同) 2018年以降は年3本ペースで作品を撮り続ける白石だが、ここに至るまでの道のりは起伏に富んだものだった。 「生まれたのは札幌ですが、小学校に上がる前に名古屋に引っ越して2年半ぐらい住んで、親の離婚でまた北海道に戻ってきました。父は1つの仕事が長続きせず、母はキッチンドランカーで酒浸りの生活でしたから、夫婦喧嘩が絶えなかった。それで、弟と共に、母の実家のある旭川市に移り住むことになったんです。 その頃、僕は小学校2年生でしたけど、子供って親がいちいち説明しなくても家庭の雰囲気で大体のことは理解しています。だから、普通に暮らしていても子どもにはあらがえない壁や不条理が突然突きつけられるんだってこともよくわかった」(白石監督、以下「」内の発言は同) とはいえ、父親の存在がなくなることを頭では理解していても気持ちが追いつかず、当時は鬱々とした気持ちを抱いていたという。そんな時に出会ったのが映画だった。
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