【独自】二階俊博「息子の不倫スキャンダル」は、あの男が仕掛けたのか?
和歌山2区支部長を巡る暗闘
そこで和歌山県連では衆院和歌山2区の支部長に伸康氏を再任することでほぼ合意。党本部にも打診し、12月中にも支部長就任の運びとなる予定だった。そのさなかでの、今回のスキャンダル劇である。 父の俊博氏の時代から、和歌山では「二階vs世耕」の暗闘が繰り広げられてきた。世耕氏は、俊博氏の地盤である和歌山3区(当時)への「鞍替え」情報が何度も流れてきたが、そのたびに、俊博氏は老獪な手腕で世耕氏の動きを封じてきた。 その構図はもはや逆転しつつあるようだ。先のA氏は、伸康氏のスキャンダル記事がこのタイミングで出たことに注目する。「なぜ、今出たのか」という疑問である。 「週刊ポストのツーショット写真は8月に撮影されたものです。そのとき伸康氏は和歌山2区の支部長で、衆議院選挙の自民党候補だった。当時記事が出れば、伸康氏は出馬も危うかったはず。ところが、実際に世間に出たのは12月のこと。ふたたび和歌山2区の支部長を決まる時期に、とつぜん掲載された。『こういうことを仕組むのは、世耕氏しかいない』と県連幹部は口をそろえている」 今回の記事掲載の背景に、復党して和歌山2区支部長の座を狙う世耕氏の関与が疑われているというのだ。A氏が続ける。 「世耕氏は選挙が終わると『心はずっと自民党。一日も早い復党を』と口にしはじめました。 来年4月には党員資格停止中の西村康稔氏の処分が解けますが、『同じような時期に復党できる』『和歌山2区の支部長は、選挙で勝った自分になる』と言いふらしている。伸康氏に支部長が決まれば、一番困るのは世耕氏です。この時期にスキャンダルが出て、得するのも世耕氏なのです」 伸康氏は、10月の衆議院選挙出馬にあたって、公明党にずっと推薦を求めていた。父・俊博氏は公明党と昵懇の仲だったことは有名で、こんなエピソードがある。 2019年の参議院選挙兵庫選挙区に、公明党の高橋光男氏が立候補した。結果的には初当選を果たしたものの、当時高橋氏の選挙情勢はかなり厳しかった。 自民党の候補も出馬するなか、俊博氏は公明党・高橋氏のための「決起集会」を開催した。兵庫県選挙区の高橋氏を、わざわざ大阪のホテルに来させ、業界団体の幹部ら約500人を集め、ここには二階派の近畿地方の国会議員も駆けつけた。 「二階会長は『友党・公明党のためだ』と派閥の議員まで鶴の一声で呼びつけ、この盛大な会合を開いたのです。自民党の候補陣営はカンカンで怒っていたが、誰も二階会長に歯向かうことなどできなかった。公明党は大感謝で、高橋氏を筆頭に、土下座せんばかりの勢いで二階会長に頭を下げていた」(旧二階派議員)