明豊と大分商、両校高評価 センバツ出場校決定(その1) /大分
◇2年連続で県勢2校 第92回選抜高校野球大会(兵庫県西宮市の阪神甲子園球場、3月19日開幕)に県内から2年連続で2校の出場が決まった。明豊(別府市)と大分商(大分市)。昨秋の九州地区大会でワンツーフィニッシュを決め、選考でも高い評価を得た両校。知らせを聞いた選手たちは、ガッツポーズで甲子園出場を喜んだ。大会まで約2カ月。全国での活躍を夢みて、ナインは早速グラウンドで練習に打ちこんだ。【河慧琳、白川徹、大島透】 ◇一つ一つ全力で練習 明豊 「甲子園への春切符」が明豊高の校長室へ届いたのは、午後3時40分ごろ。緊張気味に卓上の電話を取った岩武茂代校長は「ありがたくお受けします。頑張ります」と応じてから満面の笑みに。 詰めかけた同窓会長はじめ、野球好きな教職員の面々から一斉に拍手が起こった。 ホッとした表情になった赤峰淳部長は「選手たちが良く頑張ってきたと思う。準備をしっかりしたうえで日本一の座を目指したい」と目を輝かせた。 2年連続で春のセンバツ出場を決めた明豊。秋の九州地区大会で優勝し、切符を手にする可能性は高まっていたが、吉報が届けられると、選手たちは笑顔をこぼしセンバツ出場を喜んだ。 若杉晟汰主将(2年)は「日本一になるためにチームは一つ一つの練習に全力で臨んでいる。主将としてエースとして貢献したい」と意気込む。 布施心海選手(同)は「もう一度プレーできるのがすごくうれしい。去年の先輩たちの記録を塗り替えたい」と気合は十分。狭間大暉選手(同)も、「大歓声の中でまたプレーできると思うとわくわくしてる」と笑顔を浮かべた。 今回のメンバーには、若杉主将を筆頭に昨年のベスト4出場のメンバーが8人残る。今年は日本一を。選手たちは大きな夢に向かって、気を引き締めた。 ◇本番へ気を引き締める 大分商 大分商の張り詰めた空気の校長室に午後3時40分、待ちかねた電話が鳴り響いた。受話器を取った佐藤恵二校長は「喜んでお受けします」と笑顔をはじけさせた。 佐藤校長がグラウンドで出場決定を伝えると、選手たちは大声で「ありがとうございます!」。帽子を取って感謝した。詰めかけた保護者らからは、大きな拍手が送られた。 主戦の川瀬堅斗主将(2年)は「甲子園を目標にしてきました。センバツに向けて気を引き締めて頑張ります」と全力で戦うことを誓った。 川瀬主将は最高147キロを誇る本格派投手。昨秋の九州地区大会では、準優勝を果たす原動力となった。川瀬主将は「大会までに150キロの大台に乗せたい。誰よりも頑張る姿を見せてチームを引っ張っていきたい」と決意を述べた。 俊足の1番・渡辺温人選手(同)は、攻撃の要。渡辺選手が塁に出れば、得意の「つなぐ野球」にリズムが出る大分商の必勝パターンだ。渡辺選手は「甲子園では必ず塁に出て勝利に貢献したい」と闘志を燃やした。渡辺正雄監督は「打力を強化し、本番に臨みたい」と話した。 川瀬主将の兄で大分商OB、福岡ソフトバンクホークスの川瀬晃選手は「弟が母校で甲子園の舞台に立つことをうれしく思います」とコメントを寄せた。 ◇両校それぞれの特別号外を配布 明豊、大分商両校のセンバツ出場を伝える毎日新聞の特別号外約5200部が24日、JR別府駅や大分市のトキハ本店前で配られた。駅利用客や行き交う通行人が受け取り、2校の出場を喜んだ。 号外は明豊、大分商の2種類。チームの特徴や選手を写真付きで紹介し、学校の歴史などにも触れて「春切符」などの言葉を使った見出しで喜びを伝えた。号外を受け取った大分商3年の甲斐友佳子さん(18)は同校野球部の元マネジャー。「自分のことのようにうれしい。3年生の分まで一緒に戦ってきて」とエールを送った。【尾形有菜】