【ジャパンC】ファンタスティックムーンは女性調教師が単独来日でワンオペ作業「問題ないです」
24日のジャパンC(G1、芝2400メートル=東京)に出走する3頭の外国馬が18日、東京競馬場でゲート試験を受け全頭が合格した。 ドイツのファンタスティックムーン(牡4、シュタインベック)は女性調教師だけが来日して、ワンオペで運動や調教やカイバ付けなど全ての作業を行っている。 厩務員も調教助手もいない。2016年に開業して9年目のサラ・シュタインベルク師(36)は「ドイツでも小規模な厩舎で20頭を管理していますが、スタッフが同行すると残った馬のトレーニングができなくなる。日頃から遠征には1人で連れて行くし、馬もよくしつけられているので扱いにくいことは一切ありません。1人でも問題ないです」と世話を終えた後の疲れも見せずに笑みを浮かべた。 22年バーデン大賞をメンドシーノでG1初制覇。ファンタスティックムーンで女性調教師として初めてドイツダービーを勝ち、24年バーデン大賞も制した。ほかにナイトミュージック、クエストザムーン、フィアレスキング、ウェイキースターなどで重賞を手にしている気鋭のトレーナーだ。 この日、ファンタスティックムーンは東京競馬場のダートコースを軽快に流した後、ゲート試験をクリア。「非常に元気で調子がいい。さえています。ゲートも全く問題ありません。ジャパンCは厳しいレースと理解していますが、スローよりもハイペースの方がうまく走れる馬。ピーヒュレク騎手も日本で乗って馬場を分かっていますからね」。 ドイツ馬は過去にのべ22頭が参戦して、1995年ランドが優勝。当時7歳だった師は「まだ幼くて競馬に関心はなかったけれど、ランドはドイツ国内ではすごく有名で、誰でも知っています。種牡馬としても成績を残しています。生産者もランドの2代目をと意気込んでいます」と名馬が果たした偉業を肌身に感じている。 当日のパドックはもちろん調教師が引く。快走を願わずにはいられない。【岡山俊明】