もう不要?今年の漢字 五輪の年は4回連続「金」…主催者は「今後もあり得る」
1年の振り返りの取っ掛かりに過ぎない?
コラムニストの今井舞さんは、「今年の漢字」の発表当日、居酒屋のテレビでニュースを見ていたという。居合わせたお客さんからは「また金か」「これは何のビジネスなんだ」などという声が上がっていたそうだ。 「この時期になると、1年の振り返りなどの映像、年間まとめなどの記事がテレビや新聞などで取り上げられますが、その特集の取っ掛かりの映像や写真として、『今年の漢字』にまつわるものが使われることも多い。もはやそれだけのために存在しているような感じすらしますね」(今井さん) 言ってしまえばどんな漢字であろうとかまわない、というわけだ。 「マスコミの人ほど、世間の人はこの『今年の漢字』に興味はないのではないか。今回、またまた『金』が選ばれて、何度も何度も同じ漢字が選ばれたことで、そうした風潮のダメ押しになった感もあります」 ネットを中心とした批判の本質をズバリ言い当てていると言っても過言ではなかろう。 「(SNS等で)そういう声が上がるのは、世間の感覚と乖離しているからではないか。同じように捉えられるものとして流行語大賞もあるが、そもそも漢字一文字で1年を表すこと自体に無理がある。ひっそりと漢検協会のホームページで発表されるなどであればまだしも、師走の国民の一大行事みたいに取り上げられるのはなぜか。『今年の漢字』がそもそもどうしてこれほどまでにありがたがられているのかというタームに来ていると思います」 前述のように、漢検協会はあくまでポジティブで、30回の歴史を今後もさらに重ねようとしている。ただしニュースとして報道されるのかは不透明な状況と言えそうだ。 デイリー新潮編集部
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