ソマリアの首都モガディシュ周辺には、何千台もの防犯カメラが設置されている。その主な目的はイスラム過激派組織アルシャバブの行動を監視し、封じ込むことだ。ソマリア政府の打倒を掲げる同組織は、モガディシュで約20年にわたって爆発や銃撃事件を繰り返し起こしている。 ところがこのところ、防犯カメラを設置した企業が襲撃を受ける事件が相次いでいる。当局者によると今年10月以降に発生した企業への襲撃で、少なくとも3人が殺害され、4人が負傷した。 アルシャバブはこの町の至る所に情報網を張り巡らせている。複数の企業関係者はロイターの取材に対し、アルシャバブからカメラを撤去するよう求められた一方、当局者からは撤去すれば処罰すると言われ、板挟みに陥ったという。 安全保障および政治問題担当　ディリエ副知事 「多大な努力の末、私たちはカメラを設置するよう人々を説得することに成功した。だがマーケットにカメラが設置されると、防犯カメラを狙った爆発が起こり、テロリストはカメラを設置した者を攻撃すると地元住民を脅迫した。我々は私服姿の治安情報要員をマーケットに多数派遣し、地元住民がカメラに慣れるまで昼夜を問わず留まり、カメラ設置の安全性を確保した」 一方こちらの商店主は、カメラの設置を歓迎している。「防犯カメラのおかげで窃盗は100％阻止されるようになった。今では泥棒はいない。泥棒はカメラを見ると逃げていく」と語った。 また住民たちも、防犯カメラの数が増えたことで日常生活に安心感がもたらされたと話している。