スカイマーク、737MAX受領遅れ26年以降 737-10は見直さず
スカイマーク(SKY/BC)は11月11日、ボーイング737 MAXの受領開始を2026年1-3月期(25年度第4四半期)以降に後ろ倒しすると発表した。ボーイングの最大労組が約2カ月実施していたストライキによる製造遅延や、品質問題による影響で、これまで2025年7-9月期(同第2四半期)以降としていた受領が最短で半年遅れることになる。 【写真】"最大の737 MAX"737-10試験機のコックピットや客室 ◆「リース延長も視野入る」 スカイマークの現行機材は、737-800(1クラス177席)が29機。後継機材として737-8(737 MAX 8)を6機リース導入し、購入機として737-8と737-10を2機種計最大6機を導入すると2022年11月10日に発表した。737-8はリース機の受領を当初は2025年4-6月期からとしていたが、今年5月15日発表の「7-9月期以降」を経て、2026年1-3月期以降に後ろ倒しした。 一方、購入機の737-8は3機(確定2機、オプション1機)で従来通り2026年度に受領、737-10も3機(確定2機、オプション1機)で2026年度から27年度に受領する計画を据え置いた。 スカイマークの機材計画は、今年度は737-800が29機、2025年度は最大31機で、2026年度から2028年度は最大33機。既存機の退役は2026年度から始める計画になっている。 スカイマークの本橋学社長は、737 MAXの受領が今後さらに遅れた場合の対応として「リース延長も当然視野に入ってくる」と述べた。「整備状態がよく、(コロナ期間も)リース料の支払い遅延がないので、リース会社との関係は良好だ。“プランB”として、延長も十分可能になるだろう」と語った。 ◆「737-9は増席効果低い」 スカイマークの成長戦略で重要な機材となる737-10は開発中の新機材で、機体の安全性を示す「型式証明」をFAA(米国連邦航空局)から取得できていない。このため、海外の航空会社では発注済みの737-10のうち、ユナイテッド航空(UAL/UA)のように一部をひと回り小さい737-9(737 MAX 9)に発注変更するところも出てきている。 737-9は、737NG(次世代737)で最大サイズだった737-900/-900ERの後継機で、メーカー設定の最大座席数が1クラス220席と、737-10の同230席より10席少ない。実際の座席数は航空会社の仕様で異なり、スカイマークの737-10は1クラス210席を計画している。 本橋社長によると、737-9はスカイマークの仕様では200席未満となり、「増席効果が低く、オペレーター(運航する航空会社)も少ない」という。「現時点で確たる方針を決めていないが、737-10を羽田幹線に入れて、取りこぼしている需要を取り、着実な成長につなげる」と語った。 737 MAXの受領が始まると、スカイマークは毎年6機程度のペースで新機材を導入する見込み。
Tadayuki YOSHIKAWA