お笑い芸人・今くるよさん逝去 死因の「膵がん」の前兆となる初期症状を医師が解説
膵がんの検査法
「腹部超音波検査」 腹部超音波検査は放射線の被曝もなく、検査時間も15分程度と比較的手軽に行える検査です。膵がんを疑う場合には最初に行うことが多いと思います。 がんの有無に加え、膵管の拡張がないかなどを見るのですが、最初に述べましたように、膵臓は周囲の消化管のガスの影響で細部まで観察できないことがしばしばあります。実際には超音波検査に下記の画像検査を追加して精査を進めていきます。 「腹部CT・MRI検査」 かかりつけの内科を受診し、血液検査や腹部超音波検査で膵がんが疑われた場合、次に行う検査が腹部CTやMRI検査です。より詳細な診断を行うために造影剤を使うことが多いです。がんの大きさや位置、周囲の血管への広がりや転移の有無などを見ます。 CTやMRI検査は比較的大きな病院でしか受けられないので、消化器内科宛てに紹介状を書いてもらって受診することになります。検査には入院は必要ありません。検査時間はCTなら5分、MRIなら30分ほどです。 「超音波内視鏡検査」 CTやMRI検査で膵がんと診断された場合、次に超音波内視鏡検査を行うことが多いです。超音波内視鏡検査は手術適応があるかなど、治療方針の決定に重要となります。がんがどこまで進展しているのか、血管浸潤があるかなどを見ます。 超音波内視鏡検査時に、がんに針を刺して細胞をとる検査を行うこともあります。検査時間は30分程度です。病院にもよりますが、超音波内視鏡だけだと日帰り、針を刺して細胞をとった場合は出血がないかなどの確認のため1~2泊の入院が必要となります。
膵がんの治療法
「外科的切除」 検査の結果、手術ができると判断された場合は外科的切除を行います。がんの場所によって周囲の臓器も一緒に切除することもあります。手術はできるけれど周囲の血管に浸潤がある場合は、手術前後に化学療法や放射線治療を追加することもあります。 手術の場合は2週間ほどの入院になります。手術翌日から立って歩くリハビリを開始し、3日目頃からお粥からの食事を開始します。 「化学療法」 周囲の大きな血管に浸潤していたり、遠隔転移があるなど、切除しても根治が期待できない場合は化学療法(抗がん剤治療)を行います。化学療法に下記の放射線治療を併用する場合もあります。 膵がんの化学療法は何種類もあり、点滴なのか内服なのか、投与する間隔もさまざまです。患者さんの年齢やその他の持病、副作用の出方なども考慮して治療薬を選択します。初回の化学療法は入院で行うこともありますが、基本的には外来通院での治療になります。 「放射線治療」 膵臓がんでは化学療法と併用して、治療の効果を高める目的で行われる化学放射線療法と、骨転移などの疼痛緩和目的で行われる放射線治療があります。また、実施される施設は限られますが、重粒子線や陽子線などの粒子線治療もあります。 放射線治療を受ける場合は放射線腫瘍医による診察を受け、治療計画を立ててもらいます。1回の治療にかかる時間は10~30分程度で、通院で治療を続けていきます。