「そのままできたら生き残れる可能性あるぞ」元ゾフィー・上田が語る、全米進出を目指したきっかけ
せっかく変なルートを走ってるから、人が通ってないところを探してみようかなと
――ちょっと安心しました。上田さんってクリエイティブな一面がある一方で、「何でコント番組やれないんだ!」と道なき道を切り拓く人ってイメージもあったので。 上田:俺の中では、半分はある程度調べてから。リスク100%のところに飛び込むことはないですけど、50%ぐらい溜まったらパッションで行く感じですね。それでもみんなから止められますけど(笑)。やっぱどっかでリスクは絶対必要だし、「リスクがないとリターンもない」って思いますからね。 ――一方で今年1月、コントライブ「BYSTANDER」を開催。今後、国内ではどんな活動をしていく予定ですか? 上田:本当そこですよね。賞レースに出て決勝を目指すとか売れるための既存のルートはいくつかありますけど、せっかく変なルートを走ってるから、人が通ってないところを探してみようかなと思ってます。 漠然とやりたいなと思ってるのが、「お客さんは何を観たいのか」ってことで。僕が前にやろうと思ってたのは“寝るライブ”。実際にやるかわからないですけど、ただ1時間ぐらい演者もお客さんも一緒に寝るっていう(笑)。そういう貴重な体験ができるとか、あんまほかの人がやってないことにチャレンジしたいですね。 これまでは自分が「面白い」ってことをバーっとやってきたけど、今後は「僕がお客さんだったら何を観たいかな」っていうのをもう少し考えようと思ってます。10組にネタ書くっていうのも1、2組ぐらいだったら面白くないなと思ってやったし、新ネタ33本やるライブも「何本までできんのかな」ってところから始まったんで。なんか全部稼げない匂いしかしないんですけど(笑)。 結婚もしたし、さすがに「面白い」を優先するだけじゃ生きていけないと思うから、収益も考えつつできるだけ人が踏んでないトコを踏んでみて。踏んだ後に「そこってあんま意味ないよね」ってなったら、みんなが踏まなくなるからそれはそれでいいのかなっていう。「上田がここを踏んだ」ってことが次の世代の参考データになれば、それだけで意味はあるのかなってポジティブに考えてますね。 取材。文:鈴木旭 フリーランスの編集/ライター。元バンドマン、放送作家くずれ。エンタメ全般が好き。特にお笑い芸人をリスペクトしている。2021年4月に『志村けん論』(朝日新聞出版)を出版。個人サイト「不滅のライティング・ブルース」更新中。http://s-akira.jp/
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