「そのままできたら生き残れる可能性あるぞ」元ゾフィー・上田が語る、全米進出を目指したきっかけ
“お笑い”ってフィルターを通すことで、不思議と「面白い」になるんですよ
――今年はアメリカ進出を目標に掲げています。幼少期から海外のコメディは好きだったんですか? 上田:『Mr.ビーン』(’90年~’95年までITV系列で放送され、日本でも大人気となったイギリスのコメディ番組)とか『空飛ぶモンティ・パイソン』(’69年~’74年までBBCで放送されていたイギリスのコメディ番組)のビデオが家にあって、それをずっと見てました。たぶん小学校低学年とかで見てたんじゃないかな。 だから、イギリスに知り合いがいればそっちに行ってたかもしれないですよね。イギリスの笑いってブラックな要素も強いから、僕が作るネタと通じるところもあるし、周りに「そっち行ったら?」って勧められたりもしました。ただ、なんせ当てがないっていう(苦笑)。まぁでもイギリスの人がアメリカに渡って活動してたりもするし、まずは本丸のアメリカに挑戦してみようと思ってます。 海外のコメディだけじゃなくて、もちろん『(ダウンタウンの)ごっつええ感じ』とか『笑う犬シリーズ』(ともにフジテレビ系)とかもガッツリ見てましたけど、お笑いをずっと追い掛けてるってタイプでもなかったんですよ。『爆笑オンエアバトル』(NHK総合)とか『エンタの神様』(日本テレビ系)みたいなネタ番組はぜんぜん見てなくて。だから、変なルートっちゃ変なルートなんです。 ――そもそも劇団からスタートしてますもんね。 上田:そうなんです。僕としては人を楽しませようと思って演劇やってたんですけど、「気持ち悪い」「怖い」「暗い」とか言われるから、「えーっ!?」と思って(苦笑)。映画学校に行ってたときも、「これはみんな楽しくなれるだろうな」と思って作った映画が「ひどい」「何でそんなことするんだ」って総スカンでしたし。 でも、“お笑い”ってフィルターを通すことで、これが不思議と「面白い」になるんですよ。やってることは変わらないけど、“演劇やってる人”と“お笑いやってる人”は捉えられ方が違ってくる。結局、見せる対象を変えると自分の評価が変わるってことだと思うんですよね。 たとえば、自殺しようとしてるところに葬儀屋さんがきて「どうせ死ぬならうちの葬儀屋でやってくれ」みたいなネタやっても、“お笑い”なら見れるけど、“演劇”として見たら笑いが起きない可能性もある。その感覚の違いってアメリカでもあるのか、データとして知りたいっていうのはありますね。