フランスの麻薬犯奪還から一夜明け、警察の捜索続く 逃走犯らの足取りつかめず
フランス北部ヴァル・ド・ルイユで14日、武装集団が刑務所の護送車を襲撃し、乗っていた麻薬ディーラーの受刑者を奪還するという事件が発生。事件発生から1日経過しても犯人らの足取りはつかめておらず、警察が大規模な捜索を続けている。 フランス北部で何百人もの警察官が、この男の行方を追っている。モハメド・アムラ受刑者は14日、武装グループに刑務所の護送車を襲撃させ逃走。その際、刑務官2人が死亡、3人が負傷した。2台の護送車で担当判事との面会に向かう最中、待ち伏せ攻撃を受けた。 この大胆な事件は、世界一のコカイン市場である欧州全土で麻薬犯罪の脅威が高まっていることを浮き彫りにした。 アムラ受刑者は強盗罪で有罪判決を受け、仏北部ヴァル・ド・ルイユの刑務所に収監されていた。同受刑者はまた、死者を出した誘拐事件でも起訴されていた。 マルセイユの警察関係者がロイターに語ったところによると、アムラ受刑者は同市の有力な犯罪組織「ブラックス」とつながりのある麻薬ディーラーだった。 フランス各地の刑務所の職員らは15日、1分間の黙とうをささげた。殉職した同僚の冥福を祈るとともに、刑務所職員の安全を求めた。刑務所職員の1人は「刑務所職員が嘆き悲しんでいることを知ってほしい。我々はショックを受け、傷つき、怒り、悲しんでいる」と話していた。