開館55周年、箱根〈彫刻の森美術館〉の足湯がリニューアル。舟越桂展も開催中です。
この展覧会は2023年3月、舟越桂に依頼したことから企画が始まり、準備が進められてきたが、2024年3月29日に舟越が逝去したため、最後まで企画の実現を望んだ作家本人の意思と、ご遺族の意向を尊重し、開催されている。
生涯を通じて、人間とは何かを問い続けた舟越桂の作品の変遷とその創作の源となる視線に迫る展示となっている。立体22点、平面35点、資料の充実した展示内容だ。
また『舟越桂 森へいく日』展の関連として、舟越桂とゆかりのある現代作家の作品を選りすぐり展示する『名作コレクション+舟越桂選』展(~12月1日)が開催されている。現代へと続く、彫刻の展望を見ることができる機会となっている。
20世紀を代表する彫刻家ヘンリー・ムーアは「彫刻の置かれる風景として空以上にふさわしいものはない」と屋外に作品を展示することを好んだ。 「…ひとたび野外に出て陽を浴び、雨に打たれ、雲の移りゆきを感ずるときには、彫刻も生活の一部であるということがよくわかる…」(ヘンリー・ムーア) ムーアから彫刻の森美術館の国際公募展「ヘンリー・ムーア大賞」創設時(1979年)に寄せられたメッセージがそのまま、美術館の指針にもなっているという。屋外に出て、自然を感じながら様々な彫刻作品に触れ、最後に足湯で箱根の森とつながる。ここでしかできない体験ができるのだ。
彫刻の森美術館
「舟越桂 森へ行く日」~2024年11月4日。神奈川県足柄下郡箱根町二ノ平1121 TEL 0460 82 1161。9時~17時。無休。入館料2,000円。足湯は無料。
photo_Takuya Neda text_Rie Nishikawa editor_Keiko Kusano