文明史を覆すかもしれないトルコの謎の史跡に行ってみた!
下山してまた同じ道を戻りマラティヤへ。疲れた体を癒してくれる今夜の宿は、「モーヴェンピック・マラティヤホテル」。プールやフィットネスジムもある設備の整った5つ星ホテルです。マラティヤはトルコ・シリア地震の影響のあった場所でもあるのですが、こちらのホテルは日本の建築を参考にした耐震設計となっていたため、被害がなかったとのこと。食事もとても美味しく、落ち着きのあるホテルでした。
世紀の大発見、ギョべクリテぺ遺跡とは何か
翌日マラティヤを出発して、次のお目当てギョベクリテペ遺跡へ、またまたバスで向かいます。ギョベクリテペ遺跡があるのは、マラティヤからさらに南に267kmほど下った、シャンルウルファ市にほど近い丘陵です。実はこちら、「新石器時代に狩猟採集民によって建造された世界最古の神殿」と言われていて、そのことにより歴史をひっくり返す大発見になるだろうと考古学的に最重要視されている遺跡なのです。
これまで文明の始まりは農耕からとされてきました。農作物を育てるため、定住しながら他者と協力することで社会ができ、死者を悼み、豊穣を祈るための信仰が生まれたというのが定説です。世界史で習ったのもメソポタミア文明が最古の文明だったはず。 ですが、ギョべクリテぺ遺跡は放射線炭素年代測定の結果、メソポタミアより7000年も前の新石器時代のものだということが分かり、今も調査が続けられているのです。この近辺にはその頃に人が定住していた形跡がなく、どこから誰がやってきてこの施設を造ったのかは分かっていません。
遺跡の規模は大きく、T字型の巨大な石柱には動物や鳥葬の様子のレリーフが施され、積み上げられた石の壁と共にサークル状に設置されています。この規模の施設を建設するにはかなりの人数が必要で、食料を賄うため、少数で移動を繰り返しながら暮らしていたはずの狩猟採集民が単独で建てたとは考えにくい。すると既に他者と協力し合う社会ができ始めていたのではないか、とのこと。