ホンダのライダー育成は、日本だけでなく広く”アジア圏”も視野に。一方MotoGP復活に向けて四輪部門との協業も拡大……ニューウェイの出番も!?
ホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長に、二輪ライダーの育成方針、そしてMotoGPでの苦戦からの脱却を目指す方針について訊いた。 【動画】2024年MotoGP日本GPハイライト動画 今季Moto2でランキング首位に立ち、来季はトラックハウスからMotoGP最高峰クラスにデビューすることが決まった小椋藍。小椋はホンダ育成として階段を駆け上がってきたライダーだが、最高峰クラスにはホンダ陣営ではなく、アプリリア陣営からデビューすることになった。このことは、ホンダにとっては痛恨とも見える。 ホンダとしては、今後ライダーをどう育成しようと考えているのか? そう尋ねると、渡辺社長は次のように語った。 「二輪も育成を一生懸命やっています。ホンダ・レーシングスクール鈴鹿がありますし、アジア・タレントカップもあります。日本だけでなく、アジアを舞台に育成をやっているというところもあります」 「そんな中で、小椋藍とソムキアット・チャントラが、来季MotoGP最高峰クラスに昇格することになりました。小椋はチャンスを活かしてアプリリアに行きました。一方でチャントラは、Honda LCRからMotoGPに上がることになりました」 今年はホンダの育成チームであるIDEMITU Honda Team Asiaから、Moto2クラスにタイ出身のチャントラとインドネシア出身のマリオ・アジが参戦中。来季はチャントラの後任として、國井勇輝が起用されることが発表された。またMoto3には、日本出身の古里太陽とタイ出身のタットチャコーン・ブーシュリがHonda Team Asiaから参戦中。来季もこのラインアップが継続されることになった。これらのラインアップを見ても、ホンダは日本だけでなく、広くアジアにも目を向けていることがよく分かる。ちなみにチャントラは、タイ人として初めてMotoGP最高峰クラスに挑むライダーということになる。 「もちろん、日本をベースにしているホンダとしては、日本人ライダーを重視しています。しかし、アジアの誰かをチャンピオンを目指して上げていくというスタイルもあります。そういう意味では、チャントラが昇格することで、我々の目標は達成されているんです」