「闇バイト」募集のX投稿を分析、「裏バイト」「p活」「即金」の単語…目立つ金銭的困窮に付け入る手口
「闇バイト」をはじめ、SNSなどでメンバーを集めて事件を繰り返す「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」が治安上の新たな脅威となり、警察がSNS上の勧誘に対する警告や削除要請を続けている。警察が警告した投稿内容を分析すると、経済的に苦しい若者らをターゲットに実行役を募っている実態が浮かびあがる。(林興希) 【写真】警察庁から警告を受けたXの投稿
トクリュウはSNSなどで緩やかにつながる犯罪集団。闇バイトによる強盗や特殊詐欺のほか、薬物事犯や違法な風俗店経営など幅広い犯罪への関与が指摘されており、京都府内でも事件が発生している。中核的存在が明確でなく、全国の警察が摘発に力を注いでいる。
X(旧・ツイッター)上には闇バイトの募集とみられる投稿があふれており、11月下旬、府警や警察庁などのアカウントから「犯罪実行者を募集しているおそれがある」などとして警告を受けた投稿100件を独自に分析し、よく使われる言葉ほど大きく表示される「ワードクラウド」という手法で表現した。
大きく表示されたのは、「闇バイト」や「裏バイト」。「闇バイトではありません」などと安全な仕事をアピールする際の投稿によく使われていたほか、アカウントを見つけてもらえるよう<#闇バイト〉などとハッシュタグ(検索ワード)をつけた投稿も多かった。
デートや性交渉の見返りに金品を受け取る「パパ活」を指す隠語「p活」や、「高額」「高収入」「即金」といった単語も目立った。同様にハッシュタグがつけられたケースが多く、金銭に困っている人に多額の報酬をちらつかせ、実行役などに引き込もうとする狙いがうかがえた。
ほかにも、特殊詐欺の「受け子(U)」と「出し子(D)」を意味する「UD」、「運び」など違法行為をにおわせる隠語も確認された。府警特殊詐欺対策室は「過去に府警が逮捕した受け子や出し子も、金銭的な困窮が入り口となるケースが確認されている。闇バイトは紛れもない犯罪行為で、困っている人は行政の窓口に相談するなどしてほしい」と呼びかけている。