もうすぐデビューから55年。人気衰えぬオールドジムニーの歴史を振り返る
■第1世代(LJ20型) 水冷エンジン搭載で信頼性アップ
LJ20型はジムニーが産声を上げた2年後の1972年5月に登場。空冷エンジンから温水式ヒーターがついた水冷エンジンに変更されたことで最高出力が28psにアップ。快適性と信頼性が高まりました。水冷エンジンを搭載したLJ20型はメキシコで開催される「メキシカン1000」という過酷なラリーに最も排気量が小さいモデルとして参戦。34時間無事故で完走しました。 デザイン面ではLJ10型のグリルが横スリットだったのに対し、LJ20型は縦スリットに変更されています。スペアタイヤは室内内に収められています。そして幌タイプに加えてバンタイプがラインナップに加わりました。寒冷地での使用にバンタイプは大活躍します。 1973年11月に登場した2型はフロントの車幅灯とウインカーが分離され、スペアタイヤを背面式に変更。1975年12月に登場した3型は排ガス対策が施されたエンジンを搭載しています。 中古車サイトを見るとLJ10型はさすがに掲載されていないものの、LJ20型はごく僅かではありますが中古車が流通しています。 【Specifications】(幌タイプ) サイズ:全長2995mm×全幅1295mm×全高1670mm ホイールベース:1930mm 車両重量:625kg エンジン:2サイクル水冷2気筒 排気量:359cc 最高出力:28ps/5500rpm 最大トルク:3.8kg-m/5000rpm トランスミッション:4速MT
■第1世代(SJ10型) 新規格に対応して550ccエンジンを搭載
1976年(昭和51年)1月、軽自動車規格が改定されてボディサイズが大きくなるとともに排気量が550ccに引き上げられました。1976年5月に登場したSJ10型は軽自動車の新規格に対応したモデルです。エンジンが550ccの3気筒になったことで、車名もジムニー55と名付けられました。ただ、この時点ではまだ全幅が新規格には対応していません。 このエンジンはLJ20型に搭載された360cc2気筒エンジンのL50型に1気筒追加したもので、トルクが大幅に向上。当時のカタログには「余裕の3気筒」と書かれています。登坂力は最大39.7度を誇りました。 ボディバリエーションはLJ20型同様に幌タイプとバンが用意されました。幌モデルは窓部分がファスナー式になり、窓だけを開閉できるようになりました。 カタログをめくった最初のページには背景にショーウインドウがあるおしゃれな街並みで4人の男女がSJ10型の前で談笑する写真が使われています。写真内には「ヒルサイドテラス」「BIGI」「TOM’S SANDWICH」と書かれたプレートが写っていることから、代官山で撮影されたものと思われます。タフなオフロードモデルとしてだけでなく、若者のライフスタイルにもマッチするモデルであることをアピールしたのでしょう。 1977年2月に登場した2型は新規格に対応したボディになり、トレッドも拡大されています。フロントフェンダーが大型化されたことで見た目の迫力も増しました。そしてボンネットのフロント部分に4本のスリットが入れられています。 SJ10は中古車市場で人気が高く、状態により100万円台から300万円台で取引されています。 【Specifications】(幌タイプ) サイズ:全長3170mm×全幅1295mm×全高1845mm ホイールベース:1930mm 車両重量:675kg エンジン:2サイクル水冷3気筒 排気量:539cc 最高出力:26ps/4500rpm 最大トルク:5.3kg-m/3000rpm トランスミッション:4速MT