トランプ次期政権による関税引き上げ、米国民の生活に与える影響は
自動車
商務省のデータによると、米国は23年にメキシコから447億6000万ドル相当の自動車を輸入し、輸入額1位となった。 中国製品に課せられた関税を回避しようとする自動車メーカーが増え、ゼネラルモーターズ(GM)やフォードなど多くのメーカーが生産拠点をメキシコに移したことで、同国は自動車工場の世界的拠点となっている。 米自動車メーカーの株価は26日、急落。下げ幅が最大となったGMは、9%下落して取引を終えた。 実質的に米国の全自動車メーカーは自動車やトラックの生産にメキシコの部品を使っている。同国の部品は米国製より大幅に安価だからだ。しかし、25%の関税はこの状況を大きく変えるとみられる。 そして昨年、自動車に次いでメキシコから多く輸入された品目は自動車部品だった。
アルコール
米国が輸入するアルコールのほとんどはメキシコ産だ。 例えば、農務省のデータによると、24年度最初の3四半期に輸入したビールの80%以上はメキシコ産だった。 さらに、メキシコ産テキーラとカナダ産リキュールは蒸留酒の「輸入拡大の主要な原動力」になっているという。
結論:米国民にとって打撃
米国がメキシコとカナダに対する輸入依存度を高める中、トランプ氏は新たな関税を課そうとしている。 商務省の貿易データによると、メキシコは昨年、20年以上ぶりに中国を抜いて米国への最大の輸出国となった。中国は現在、2位の輸出国であり、カナダが僅差(きんさ)で中国を追う。中国が最大の輸出国でカナダとメキシコを寄せ付けなかったわずか2年前とは大きく変化している。 このことは、トランプ氏が約束した新しい関税を米国民は事実上回避できないことを意味する。コスト上昇に直面している企業がその負担を消費者に転嫁する可能性は高いからだ。