ロシア国防省「ウクライナ軍がATACMS13発で攻撃」…「報復」正当化する狙いか
ロシア国防省は26日、ウクライナ軍から3日間で2回、米国が供与した長射程の地対地ミサイル「ATACMS」計13発で攻撃を受け、負傷者が出たと発表した。ロシアが自軍の被害について公表するのは珍しい。露国防省は「報復攻撃を準備している」としており、被害をあえて公表することで、反撃の正当性を強調する狙いがあるとみられる。
発表したのは23日と25日の攻撃で、25日にはロシア西部クルスク州ハリノにある空軍基地がATACMS8発で攻撃された。防空システム「S400」と「パーンツィリ」で7発を撃墜したが、1発が目標に命中し、軍人2人が負傷したと主張している。23日には同州ロタレフカ付近で防空ミサイルの部隊がATACMS5発による攻撃を受け、うち2発が命中したという。
一方、英紙フィナンシャル・タイムズは26日、ウクライナ当局者の情報として、ウクライナ軍が先週、英製の長距離巡航ミサイル「ストームシャドー」でクルスク州マリノを攻撃し、露軍側で参戦している北朝鮮軍の将官1人が負傷、将校数人が死亡したと報じた。この当局者はウクライナ軍がクルスク州に点在している北朝鮮軍関係者を狙って攻撃していると説明している。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルも今月21日、ウクライナ軍の攻撃で北朝鮮軍高官の負傷を報じていた。ウクライナによると、北朝鮮からは将官3人、将校500人がロシアに派遣され、兵士1万人以上がクルスク州に展開している。