指名あいさつし、伊原陵人と握手する藤川球児監督（左）＝京都府久世郡久御山町・NTT淀総合運動場（撮影・林俊志）

阪神・藤川球児新監督（44）がドラフト会議から一夜明けた25日、京都・久御山町で、ドラフト1位指名した伊原陵人（たかと）投手（24）＝NTT西日本＝に指名あいさつを行った。170センチと小柄ながら威圧感たっぷりに投げ込む投球スタイルを米大リーグ、カブスの今永昇太投手（31）の姿にを重ねて高評価。即戦力左腕を迎え入れ、盤石の投手王国を築いていく。 実力と素材にほれ込んだ金の卵と初対面を果たし、期待は確信に変わった。藤川新監督は、ドラフト1位指名した伊原の堂々とした立ち振る舞い、そして投手としての〝完成度〟に大きくうなずいた。 「体が小さいように見えるけど、投げてくるときに大きく見えるという、僕にとってベストなところ。（カブスの）今永投手であったり、素晴らしい左投手の条件を兼ね備えている」 京都・久御山町のNTT西日本の施設を訪れ、指名あいさつ。面談後に2人並んで会見に臨んだ。奈良・橿原市出身のルーキー左腕は身長170センチと小柄だが、虎将にとってはDeNAからカブスに移籍して日米で活躍する今永と重ね合わせるほど、最高の〝武器〟に映った。 「僕が投手で大事にしているのは投球フォームであったり、ボールのギャップ。打者が打ちづらくなる」 今永は178センチと投手としては大きくないが、キレのある直球、チェンジアップやスライダーを駆使し、緩急自在の投球術で打者を翻弄した。今季は米大リーグ1年目ながら15勝（3敗）を挙げ、藤川新監督が評価する投球時の〝ギャップ〟の強みを結果で証明した。 伊原は制球力に加え、スピンの効いた最速149キロの直球とフォーク、スライダーが武器。指揮官は自軍の大竹や伊藤将、岩崎、ヤクルトの田口ら左投手の名を挙げ、先輩サウスポーに通じる潜在能力を評価。さらに「バッターの目に映る威圧感はあると思います」と新人左腕を分析した。 〝投げる哲学者〟の異名を持つ今永の投球術に近づける可能性があるからこそ、伊原をチームに迎え入れたくて仕方なかった。起用法は「ドラフト1位といえば、先発」と改めて明言。才木、高橋らと強力先発陣を形成できれば、長丁場のシーズンを戦う上で心強い。 藤川監督の期待を受け、ドライチ左腕は「新人王が一番、即戦力としては大事」と誓い、そのためにも「開幕1軍が一番の目標」と断言。開幕ローテ入りに向けて闘志をむき出しにした。