ブルゴーニュワイン、値上がり止まらず客離れ おすすめの「次の産地」はココ!
連載《なぞときワイン》
ワインの世界にも流行語というのがある。その一つが「ネクスト・ブルゴーニュ」だ。ブルゴーニュワインに似た味わいで品質も相応である一方、価格はずっと手ごろなワインをそう呼ぶ。ブルゴーニュワインの価格が世界的に高騰するなか、多くの関係者や愛好家がネクスト・ブルゴーニュを探し出そうと、うの目たかの目になっている。 【写真はこちら】「ブルゴーニュのファンに合うワインは…」専門家のおすすめをチェック! フランス東部に位置するブルゴーニュ地方は言わずと知れた世界屈指の高級ワイン産地。ブルゴーニュワインはもともと決して安くはないが、ここ数年の異常とも言える値上がりで、一般の愛好家はなかなか手を出せない価格になってしまったと関係者は口をそろえる。
■価格高騰 3年で3.5倍に
例えば、東急百貨店が運営するワインショップ「THE WINE by TOKYU DEPARTMENT STORE(ザ ワイン バイ トーキュー デパートメント ストア)」が販売する白ワインの「ドメーヌ・ルフレーヴ シュヴァリエ・モンラッシェ」は、2018年ヴィンテージが1本9万5000円だったが、2019年は16万円、2020年は25万円、そして最新の2021年は33万円(いずれも税別価格)と、わずか3年で価格が3.5倍に跳ね上がった。 赤ワインの「アルマン・ルソー シャンベルタン」も、14年ヴィンテージまでは1万円未満だったが、2015年から高騰し始め、最新の2020年は38万円の値がついている。「ブルゴーニュはもともと高いが、ここ数年でさらに高くなった」と同店のソムリエ、藤巻暁さんは話す。 恵比寿ガーデンプレイス(東京・渋谷)内のワインショップ「ワイン・マーケット・パーティー」も同様だ。同店で売られている赤ワインの「ジョルジュ・ルーミエ シャンボール・ミュジニー」は、数年前のヴィンテージは1万4000円前後だったが、2019年は1万8500円、2020年は2万4000円(いずれも税別価格)と、やはり大幅な値上がりだ。 店長の沼田英之さんは「価格の高騰はブルゴーニュ全体に及んでいる。数年前までは2000円台で買うこともできた一番安い価格帯のワインが、今は最低4000円以上出さないと買えなくなってしまった」と愛好家を思いやり嘆く。