ブルゴーニュワイン、値上がり止まらず客離れ おすすめの「次の産地」はココ!
■いつも品薄なのに… 中国でも人気過熱
価格高騰の原因は複合的だ。まず生産量が少ない。ブルゴーニュのブドウの作付面積は約3万ヘクタールで、同じフランスの高級ワイン産地、ボルドーの約4分の1。ちょっと需要が高まるだけで、すぐ品薄気味になる。 需給逼迫の一因として多くの関係者が指摘するのが、経済発展に伴いワイン人口が急増し、今や世界有数のワイン消費国となった中国でのブルゴーニュ人気の高まりだ。中国では従来、ボルドーの人気が高く、ボルドーワインの価格が世界的に上昇する原因となっていた。だが、2010年代からブルゴーニュワインへの関心が徐々に高まっている。国内景気の減速で直近の消費量は減っているものの、ロイター通信の報道によると、高級ワインの需要は依然、底堅い。 日本にもブルゴーニュのファンは多い。ブルゴーニュワインを造るブドウは基本的に、赤が「ピノ・ノワール」、白は「シャルドネ」を使う。ピノ・ノワールは赤い果実を連想させる華やか香りと柔らかなタンニン(渋み)、豊かな酸味が特徴で、「ワインにはまると最後はピノ・ノワールに行きつく」とも言われるほど、コアなワイン愛好家にはピノ・ノワールのファンが多い。シャルドネは白ブドウの中では不動の人気ナンバーワン品種。こうした品種自体の人気に加え、ブルゴーニュには何百年にもわたって培ってきたブランド力がある。 実際、いくら値上がりしても、ブルゴーニュのお気に入りの銘柄を指名買いする人は少なからずいる。しかし、そうした愛好家は全体から見れば「ほんの一握り」(沼田さん)。やはり大半の愛好家には今やブルゴーニュは超の付く高根の花。いきおい、ネクスト・ブルゴーニュを探す動きが盛んになっている。 ネクスト・ブルゴーニュ探しには大きく3つのパターンがあるという。まず、あくまでブルゴーニュにこだわり、同じブルゴーニュの中の格付けの低いワインや、あまり有名でない地区のワインを物色するパターン。例えば、ブルゴーニュ南部のコート・シャロネーズやマコネは良質のワインを多く産する地区だが、グランクリュ(特級畑)ひしめく北部のコート・ド・ニュイやコート・ド・ボーヌと比べると知名度で劣り、それゆえ価格も安い。 2番目がブルゴーニュと同じ品種で造られる別の産地のワインを探すパターン。藤巻さんは「最近はピノ・ノワールで違う産地のものはないですかと、お客様によく聞かれる」と話す。