「ベテルギウス」には未知の伴星 “ベテルバディ” がいるかもしれない
ベテルギウスの相棒 “ベテルバディ”
研究チームはベテルギウスの伴星について、あくまで正式な名称ではないものの、「ベテルギウス(Betelgeuse)の相棒(Buddy)」という意味の “ベテルバディ” という愛称で呼んでいます。論文ではより公式名に近いものとして「α Ori B」という名称で呼ばれていますが、このBは伴星を表す記号ではなく(※3)、 “ベテルバディ” の略号です。 ※3…通常の連星系の命名では、第1の天体である主星を「A」(あるいは記号なし)とするのに対し、第2の天体である1つ目の伴星を「B」、第3の天体である2つ目の伴星を「C」……とアルファベット順に記号を付けるのが通例です。この命名法は、アルファベットを小文字にする形で太陽系外惑星の命名にも使用されています。 もし “ベテルバディ” が見つかれば、ベテルギウスが数百年以内という短期間で超新星爆発を起こす可能性はほぼ無くなると思われますが、今のところ見つかっていないことから、観測は困難であると見られます。しかし今回の研究が正しい場合、ベテルバディは2024年12月6日に最も観測しやすい位置に来るはずです。もしその場合、塵を押しのけている “ベテルバディ” の姿が、まるで彗星の尾のように観測できるでしょう。 いずれにしても、現在のところ “ベテルバディ” は発見されていません。今回の研究が正しいかどうかは、ベテルギウスの集中観測によって未知の伴星の存在を見つけられるか否かにかかっています。3氏はすでに、実在を示すための観測計画を提案しています。 Source Jared A. Goldberg, Meridith Joyce & László Molnár. “A Buddy for Betelgeuse: Binarity as the Origin of the Long Secondary Period in α Orionis”. (arXiv) Jane Beaufore. “Betelgeuse Betelgeuse? Bright Star Betelgeuse Likely Has a ‘Betelbuddy’ Stellar Companion”. (Simons Foundation) “UW Professor Part of Study That Finds Betelgeuse May Have Companion Star”. (University of Wyoming)
彩恵りり / sorae編集部