実は駅や電車、バスの「無料Wi-Fi」が続々終了している! 姿を消した理由とは?
この記事をお読みの方の中にも、5Gが全国的に普及したうえで「モバイル通信の使い放題」サービスに加入すれば、自宅の固定回線は不要では無いか?と考えている方もいるのでは。 無料Wi-Fiの魅力が相対的に薄れるくらい、モバイル通信が「一般的な用途では十分」な速度となり、使い放題プランや大容量プランも充実している状態となったと言えるでしょう。 ■東京五輪におけるインバウンド向けのインフラ整備の役割を終えた そもそも公共交通機関における無料Wi-Fiサービスは、東京オリンピック・パラリンピック2020を見据え、「インバウンド向けの通信インフラ整備」を目的にサービスが拡大されてきた側面があります。 たとえば2014年時点では全国のWi-Fiスポットは約4万カ所であったとのが、五輪向けのインフラ整備が各地で進んでいた2018年時点では約14万カ所まで拡大していました。しかし、実際には東京五輪は新型コロナの影響で2021年に開催延期されたうえ、無観客などの措置がとられました。 2024年現在でも、インバウンド向けに整備された無料Wi-Fiは円安を背景とした訪日観光客の増加に伴って各地で活躍しているケースもあります。とはいえ五輪が無観客開催となり、新型コロナの影響で思うようなインバウンド需要も得られなかった自治体や交通機関では「無料Wi-Fiはすでに役割を終えた通信インフラであり、もう不要である」と判断を下すケースもあるでしょう。 ■「提供事業者との契約終了」 無料Wi-Fiを提供していた駅や電車、バスなど交通機関の事業者は「提供事業者との契約終了」を、サービス提供の公式な理由としているケースが多く見受けられます。つまり、2021年の東京五輪終了後、契約期間を更新しないことを社内で決定したうえで、残っていた契約期間を消化してサービス終了している事業者が一定数あると言えるでしょう。 実際、東京メトロの「Metro_Free_Wi-Fi」も、訪日外国人数の増加や東京オリンピック・パラリンピックの開催を受けた施策でしたが、コロナ禍による訪日外国人の減少などを踏まえ、提供事業者との契約更新を見送ったとされています。