二十歳のとき、何をしていたか?/長州力 布団を抱えて降り立った東京駅。夢だったオリンピック出場に向け、練習とアルバイトを繰り返す日々。
AT THE AGE OF 20
在日韓国人2世として生まれ育った長州さんは、日本国籍を持っていなかったためにオリンピックの日本代表になることができなかった。「全日本を獲ったのに国籍のことでぶつかるでしょ。まあ、大学2年のときに全米選手権で優勝したときも一度ぶつかってるんだけどな」。それでもオリンピック出場という子供の頃からの夢を諦めきれなかった長州さんは、韓国代表として1972年のミュンヘンオリンピック出場を果たすこととなった。現地で撮影した写真のなかでジャージに「NIPPON」の文字がないのはこのためだ。
プロフィール
長州力|1951年、山口県生まれ。学生時代にレスリングでミュンヘンオリンピックに出場。1974年、新日本プロレスへ入門。’80年代の新日ブームにおいて藤波辰爾との抗争劇を繰り広げ、革命戦士のニックネームでブレイク。2019年に現役を引退。 photo: Takeshi Abe, text: Takahiro Inoue(2020年10月 883号初出)※文中の年齢や年代は2020年当時のものです
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