世界唯一の捕鯨母船「関鯨丸」屋内で解体でき衛生的、コンテナごと陸揚げで人手いらず…事故やけが人なく
世界で唯一の捕鯨母船「関鯨丸」(9299トン)が17日、5月に母港・下関港(山口県下関市)を出港後、北海道・東北沖での操業を終え初めて下関に帰港した。関鯨丸でクジラの解体や鯨肉の品質管理を担当する共同船舶生産部の藤本聡部長(39)に、今年の操業について聞いた。 【写真】関鯨丸の船尾にある「スリップウェー」から船内に引き揚げられるナガスクジラ
――関鯨丸の特徴は。
先代の日新丸と違い、屋内で解体できるので衛生的だ。コンテナごと陸揚げでき、荷揚げに人手がいらなくなった。全て個室で通信環境も良く、仕事後はリラックスできる。事故もけが人もなく安全に操業できた。
――船内での業務は。
包丁での鯨肉の切断や目視での検品、細菌が入っていないかの検査などだ。
――問題点は。
ナガスクジラは肉質が柔らかく、切り方に慣れないと崩れてしまうこともあり、若手の人材育成も大事だ。
――今後の抱負は。
今年はナガスの59頭の捕獲枠に達しなかったので、生産効率を上げ来年は捕りきりたい。鯨肉の需要喚起に向け、鯨肉のミートパイや豚まんのような商品を開発したい。