「そうか私が替えるしかないのか!」親の「おむつ交換」に戸惑った“アラフィフ”体験談 突然始まった介護で悪戦苦闘し心身消耗
漫画家・月野まるさんは、ある日、ひとり暮らしをしている母親(83)の腰痛が悪化し、誰かの支えなしにはトイレにも行けなくなった、と連絡を受けました。そして、母親のもとへ駆けつけて始まった突然の介護。慣れないながらも、母親を抱えてなんとかトイレへ連れていきますが、次第に体力的にも精神的にも限界が訪れます。地域包括支援センターに相談したところ、おむつの使用を勧められ……。 月野まるさん著、介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さん監修の書籍『ままならないアラフィフたち 介護はじまりました』より一部を抜粋してお届けします。 【漫画】トイレに行けなくなった親におむつを履かせたものの、その交換に四苦八苦!
■トイレに行けずおむつを使うことに ■大人のおむつ替え方法がわからない ■プロの手を借りていい 母親のおむつ替えに苦戦した月野さん。その様子を聞いた介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんが今後のヒントなどをアドバイスします。 太田 月野さんはお母さまのおむつ交換を初めてされるとき、「大人のおむつってどうやって替えるんだ?」と一瞬パニックになったものの、「精神的に無理」という状態にはならなかったのですね。
お母さまも抵抗せずにおむつを替えてもらったそうで、どちらもすごいなぁと思いました。 月野 実を言うと、私もちょっと驚きました。母はおむつを嫌がるんじゃないかと思ったんです。 太田 「親のおむつは替えられない」「子どもにおむつを替えてほしくない」という方も多いと思います。そんなときは、プロの手を借りましょう。介護保険を利用できます。 頻度が少なければ、居宅サービスでホームヘルパーに交換をお願いできますが、頻度が高くなると、月野さんのところのように施設介護が選択肢になると思います。
月野 わが家の場合、介護保険の要介護認定の申請はしていたんですが、結果が出る前に痛みがひどくなってしまって、間に合わなかったんです。 太田 緊急を要する場合には、認定結果が出る前でもサービスを暫定的に使えるケースもありますよ。地域包括支援センターで相談してみてもよかったかもしれませんね。 月野 認定調査のときには、母はまだ歩くことができていたんです。それで調査員さんに「要支援1か2、もしかしたら『非該当』かも」と言われたので、介護保険のサービスを利用するのは無理だろうと思い込んでいました。