「103万円の壁」「130万円の壁」が話題だが…そもそも「年収の壁」って何?47歳主婦が最終的に選んだ働き方は?【CFPが解説】
3. 106万円の壁 106万円の壁は、所得税だけでなく、社会保険料の負担が発生するボーダーラインです。具体的には、以下の要件に当てはまる場合は、社会保険料の負担が発生します。 ・1週間の労働時間が20時間以上である ・2ヶ月以上連続して勤務している ・1ヶ月の収入が88,000円以上である ・勤務している事業所の従業員数が51人以上である ・学生ではない 社会保険料は標準月額によって決まり、仮に1ヶ月の収入が88,000円となった場合には、健康保険料と厚生年金保険料の合計である12,443円が毎月徴収されます。40歳以上の場合は介護保険料も徴収されるため、注意が必要です。 4. 130万円の壁 130万円の壁は、配偶者の社会保険の扶養から外れてしまうボーダーラインです。配偶者の社会保険の扶養から外れてしまうと、自分で国民年金保険料および国民健康保険に加入しなければならず、健康保険証も家族とは別のものになってしまいます。 例えば、和美さんが130万円を稼いだ場合、毎月16,980円の国民年金保険料と年間99,600円の国民健康保険料を支払わなければなりません。その他、所得税や住民税も当然発生します。 5. 150万円の壁 150万円の壁とは、配偶者特別控除の額が減少しはじめるボーダーラインです。そのため、控除を受ける納税者本人の税負担が増えてしまいます。 また、配偶者特別控除の額は控除を受ける納税者本人の合計所得金額によっても異なりますので注意しておきましょう。 6. 201万円の壁 201万円の壁とは、配偶者特別控除の適用が受けられなくなるボーダーラインです。年収が201万円以上にあると配偶者特別控除が適用されません。
年収の壁に対する政府の取り組み
政府は上で紹介した年収の壁のうち、106万円の壁と130万円の壁について支援を強化する仕組みを取り入れています。 1. 106万円の壁について 106万円の壁とは、上で説明したとおり社会保険料の負担が発生するボーダーラインです。 年収が106万円以上になることで社会保険料の負担が発生するため、できるだけ残業を少なくする人も多く見られることから、政府は「社会保険適用促進手当の支給」や「基本給の増額」、「所定労働時間の延長」などの取り組みを行った企業に対し、労働者1人あたり最大50万円を助成するとしています。 2. 130万円の壁について 年収130万円の壁は、配偶者の社会保険の負担から外れるボーダーラインです。 そのため、繁忙期など収入が一時的に上がった場合でも、「事業主がその事を証明する」ことによって引き続き配偶者の扶養でいられる仕組みを作っています。