中学受験は「運動会と塾」どっちが優先?子どもが精神的不安にならないコツ
学校行事は子どもの成長にとって大切なもの
志望校合格だけを考えれば、学校を休んで受験勉強にかける時間を増やしたほうがよいと考える人もいるでしょう。しかしそれは子どもの成長を考えるとプラスとは言えず、子どもの精神面を考えてもおすすめはできません。 私は中学受験とは人生を賭けるものではなく、人生におけるプラスアルファであるべきだと考えています。 学校での友人関係は、塾での成績や偏差値と切り離されていることで、精神的に落ち着くという子もいます。塾とは違って学校ではまわりから成績がよいと認識され、自尊心が満たされるということもあるでしょう。 まわりの友達と練習したり楽しんだりする学校行事を休むと、教室でいづらさを感じ、友人関係で少し寂しい思いをしてしまうというリスクも考えられます。子どものコミュニティもなかなか複雑ですからね。精神的な安定やモチベーションを考えると、学校と塾とのバランスをうまくとりながら受験に臨むのがよいでしょう。 そのバランスは「学校のある時間は学校を優先し、放課後や休日は塾や勉強に充てる」というのが指標になります。受験本番期である1月中旬から1ヶ月は入試を中心にし、場合によっては学校を休むことも必要だと思います。 優先順位としては「入試>学校>塾」ですね。
学校の勉強は受験にもプラスがある
学校生活は子どもの精神面だけでなく、受験勉強にもプラスがあります。 勉強は塾のほうが速く進むため、学校では時間をおいた復習ができるということになります。一度勉強した単元も、時間をあけると記憶は薄れるものです。忘れたころにもう一度勉強することは、記憶の定着にもよいと言われていますからね。 とくに理科や社会の暗記項目は、塾とは違う教科書で同じ内容に触れることで、より印象に残るでしょう。 塾で学んだものの苦手であるという単元を、塾よりゆっくりじっくりと進められるのもありがたいですね。 塾ではどうしても「できない人」に合わせて進めることができないため、苦手を取り戻す機会はなかなかないのが実状です。偏差値50までの子はとくに、学校の勉強も大切にしていきましょう。
重要なのはバランスをとること
塾での勉強は大事で、予習復習なども志望校合格のためには欠かせません。かといって、小学生としての生活を犠牲にすることも避けたいですよね。 重要なのは塾と学校のバランスをとることだと思います。 学校だけに偏って塾の勉強をおざなりにしては入試が厳しくなりますし、塾だけに偏っても子どもの精神に不安が生まれるでしょう。学校生活を楽しく過ごしながら、塾で指示される勉強をこなしていけるのが理想かと思います。 子どもにとって学校行事は、経験としても思い出としても大切にしてあげたいもの。ぜひ楽しく参加し、その後は気持ちを切り替えて、しっかりと勉強にも励めるとよいですね。
天海ハルカ