日本ハムが今後のポストシーズンを見据えても大事な「整備ポイント」「キーマン」とは
日本ハムは9月16日の楽天戦(楽天モバイルパーク)に5-6と逆転負け。継投失敗で2連敗を喫した。 【動画】レイエスが初回に岸から先制の20号ソロを放ったシーン チームは初回にフランミル・レイエスの20号ソロで先制。1-1と同点に追いつかれた直後の2回にも万波中正の18号ソロと一発攻勢でリードを拡げた。 先発の金村尚真も2被弾されたが、5回2失点と粘り強く、試合を作った。 ただ3-2と1点リードの7回に登板した3番手の池田隆英が誤算だった。2安打と死球で無死満塁のピンチを招くとベンチは4番手に一時は抑えを任せていた育成出身の柳川大晟を投入するも、渡辺佳明に逆転二塁打、村林一輝にも2点二塁打を浴び、火消しに失敗。この回、4失点となり、柳川は試合後に2軍昇格が決まった。 首位のソフトバンクがここにきて破竹の7連勝、リーグ優勝が目前となる中、2位の日本ハムはポストシーズンも見据えた上でどんなことに気を配って、チームを整備していけばいいのか。 この先の戦い方について、かつて日本ハムの名二塁手として、チームの日本一に貢献した田中賢介氏が9月9日に放送された「ほっとニュース北海道」(NHK)内で2つのポイントを挙げている。 田中氏がまず重要視したのが、中継ぎ陣だ。特に7回から9回にかけた「勝ちパターン」を整えることを挙げた。 救援陣においては開幕後は現在先発を務めている金村や河野竜生、田中正義らを中心に形成、その後、杉浦稔大、宮西尚生、池田を加えるなど変遷しながら、勝利に貢献していた。 その後、夏場に杉浦、守護神の田中、さらには河野にも疲れが見え始め、登録抹消となった。そんな中で代役守護神として8月のチームを助けたのが柳川だった。8月は11登板で8セーブ、1ホールド、防御率0.75と圧巻の成績を残した。 しかしその柳川も16日の試合後に再調整が決まった。ブルペンは9月に入り、杉浦と田中が再び1軍登録され、再構築している段階とあって、この試合終盤を担う大事な中継ぎ陣をもう一度整え、万全な状態でクライマックスシリーズへ向かうことがまず一つ大切だと田中氏は言う。 もう一つポイントとして同氏が挙げたのは、ベテラン勢の働きだ。 今季のチームの躍進には若手の活躍が大きかったことは誰もが認めるところ。パンチ力ある打撃が魅力の水野達稀や一時は首位打者争いもくりひろげた田宮裕涼、さらには交流戦からは現役ドラフト組の水谷瞬が頭角を現し、打線に厚みが増した。 だが、シーズン終盤にかけ、年間通して戦った経験のない若手には疲れも見え始めている。 実際、前半戦は打撃のいい田宮がマスクを被る機会も多かったものの、後半戦は段々とベテランの伏見寅威の先発マスクの機会も増えている。 田中氏が「野手は前半若手、後半はベテランという流れ」というように、シーズン後半に入って経験豊富なベテランの活躍が求められていると指摘。なかでも、松本剛や伏見といった、かつてチームの優勝、CSを経験したベテラン勢がチームにとって非常に重要な存在であるとした。 その松本は9月は打撃不振に苦しみながら、16日の試合は3点を追う9回二死満塁の場面で楽天の守護神・則本昂大の高め直球を中前にはじき返し、2点適時打をマーク。1点差まで追い詰めた。 17日からは首位ソフトバンクと敵地で2連戦となる。さらに重要な局面に入っていくなかで、球場の雰囲気も緊張感が高まることは予想される。 田中氏も番組内で「経験のない選手が初めてプレーオフに臨むときには敵地ですごく飲まれる」とコメント。CSの短期決戦を見据えても、特にV争いの経験のない若手選手は球場の雰囲気に慣れていくことも大切になってくるとした。 2年連続最下位からの躍進で「ミラクルハム」とファンを喜ばせている快進撃をレギュラーシーズン最後まで見せることはできるか。選手の背中を押す新庄剛志監督の采配にも注目が集まりそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]