【ブエルタ・ア・エスパーニャ2024 レースレポート:第19ステージ】ログリッチが独走勝利でマイヨ・ロホ奪還! 3年ぶり4度目の総合優勝に前進
第79回ブエルタ・ア・エスパーニャが最終決戦となる3日間の激闘に突入した。2つの山岳決戦と首都マドリードでの最終タイムトライアルというファイナルバトルのゴングが鳴った。9月6日、ログローニョからアルト・デ・モンカルビリョまでの173.2kmで第19ステージが行われ、5秒遅れの総合2位につけていたプリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)がゴールまでの上り坂で独走。今大会3勝目、大会通算15勝目を挙げるとともに、第6ステージでベン・オコーナー(デカトロン・AG2Rラモンディアル)に奪われた真紅のリーダージャージ、マイヨ・ロホを奪還した。 【ハイライト】ブエルタ・ア・エスパーニャ 第19ステージ|Cycle*2024
スタート地点のログローニョはワイン造りの伝統があって、中心地には数多くのタパス・タベルナがある美食の観光都市だ。フィニッシュは2020年に初採用されたモンカルビリョ山岳。厳しい上り坂が11kmも続く。4年前もスタートはログローニョで、それ以来となる2度目の舞台設定だ。
2020年はパンデミックの影響を受けた大会で、ブエルタ・ア・エスパーニャは秋開催となり、ステージ数も全18区間とわずかに縮小された。ログローニョ~アルト・デ・モンカルビリョ間のレースは第8ステージとして10月28日に行われ、ログリッチとリチャル・カラパス(当時イネオス・グレナディアーズ)の大バトルが行われた。
大会連覇をねらっていたログリッチと首位につけていたカラパスがアルト・デ・モンカルビリョの上り坂で抜け出し、最後はログリッチが13秒差をつけてステージ優勝。首位を守ったカラパスとの差を13秒にした。
その1カ月半前のツール・ド・フランスで、ログリッチは最終日前日にタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)に逆転されて首位陥落の憂き目を味わっていた。この2020ブエルタ・ア・エスパーニャも初日に首位に立ったが、第6ステージでその座をカラパス明け渡した。この日は未経験の山岳だったが、「チャンスがあれば勝負をかけよう」と積極的に走り、上りに強いカラパスを置き去りにした。「献身的にアシストしてくれるチームメートのためにも」とエースとしての自覚をもって勝利したのである。 2020ブエルタ・ア・エスパーニャは初日から最終日までマイヨ・ロホを2人が奪い合う展開で、最終的にログリッチがカラパスをわずか24秒という僅差で上回って2連覇を達成している。ログリッチにとっては人生の大きな挫折から立ち直るきっかけとなった思い出深いコースなのである。
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