<チ。 -地球の運動について->小西克幸×中村悠一×仁見紗綾インタビュー(1) 「自分は懸命に生きているか」自問自答させる魅力
中村さん 全巻通すと章立てになっていて、我々は真ん中のブロックをやらせてもらっているんですけど、自分たちが出演していないところから物語は始まっていて。お二人が言ってるように、自分が全部を成していくんじゃなくて、その流れの中に身を投じることが使命だと感じる、というのがすごく面白いと思いました。現代を生きていて、自分の中に使命感を持つことはなかなかできないというか、自分が生きることにだけ必死になるケースのほうが多いと思うのですが、そうじゃない。しかも、それを成せば自分が有名になれるというわけではないじゃないですか。僕が演じているバデーニだけはちょっと違いますけど(笑)。
--たしかに、バデーニは、「重要なのは、私がこれを完成、発表することだ」と語るようなキャラクターです。
中村さん バデーニは、自分の名前を残すんだ、と言っていますけど、ほかの人たちはそれを期待しているんじゃなくて、この世の中にある真理の一つを自分がひもとくきっかけを今握らされたんだというところに運命を感じられる。だから、登場する人たちはみんな純粋だし、真っすぐというところが、感情移入ではないですけど、引き込まれるところだったなと思います。
◇たくましいヨレンタ、超ネガティブなオクジー、自信家のバデーニ
--演じるキャラクターの印象や推しポイントを教えてください。
仁見さん ヨレンタは、たくましい子だなと思っています。状況的に女性1人で、しかも女性だからということで認められない状態の中でも、そこで生きていくことを自分で選んでいるし、傷ついても自分で背中をたたいて前に進むというところがすごくたくましくて、すてきなところだなと思います。最初の登場シーンは、自分が参加できない研究会の盗み聞きをするために、全力で走っているところなのですが、頭の中ではずっと後悔していて、理性が本能に負け続けているみたいなところがすごく彼女らしくて魅力的だなと思って、ヨレンタの推しポイントです。ぜひ見てほしいです。