中国鋼材市況 再び軟化 景気対策も効果不透明
【上海支局】下げが一服した中国の鋼材市況が今週に入って再び下がっている。鋼板類は高水準の輸出が需給の調整弁となり、11月は横ばいで推移しているが、条鋼類は秋の需要期ながら不動産・インフラ工事が低迷し、需給が緩和している。粗鋼生産が9月以降増え、とりわけ条鋼は市中の在庫が減っていない。政府の経済対策の効果が不透明で先行指標の株式・先物市場の動きが鈍く、現物市況に波及している。冬場の不需要期を迎えて需給は一段緩み、市況の軟化と鋼板輸出の増加に傾きかねない情勢だ。