侍ジャパン、世代交代の時期は来ていない 多くのヤング侍が脚光浴びたプレミア12…それでも26年WBCは大谷翔平らメジャー組が主役
【記者の目】ラグザス「第3回WBSCプレミア12」決勝(24日、日本0-4台湾、東京D)次なる国際大会は連覇がかかる2026年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。顔ぶれは前回大会と大きく変わらないことが予想され、米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手(30)らメジャー組が中心になる。今回のプレミア12でプレーした多くの若手選手が積んだ経験は、28年ロサンゼルス五輪など、その先の国際大会で花開く可能性が高い。また、近年プロ野球が抱える課題も浮き彫りになった。 【写真】WBCを制した侍ジャパンの面々 侍ジャパンはプレミア12を含めた今季の活動を終えたが、トップチームにはまだ世代交代の時期は来ていないと言える。 2026年WBCを全ての選手が健康な状態で迎えると仮定した場合、大谷(ドジャース)、鈴木(カブス)、吉田(レッドソックス)、ヌートバー(カージナルス)が打線の中軸を担うことが有力で、その場合、DHと外野の3枠が埋まる。先発投手陣も山本(ドジャース)、今永(カブス)、佐々木(今オフ、ロッテから米大リーグに移籍)らメジャー組で埋まる。 今回のプレミア12で、多くの有望株が脚光を浴びたが、大谷らの壁を越えるのは並大抵のことではない。世界一に輝いた23年のWBCに出場した村上(ヤクルト)、岡本和(巨人)は年齢的にも全盛期を迎え、一、三塁を守るだろう。近藤(ソフトバンク)は打撃、源田(西武)は守備で球界トップレベルにある。 それでも、高橋宏(中日)、小園、坂倉(ともに広島)、牧(DeNA)、森下(阪神)は次回WBCで主軸として期待できる実力を示した。 これらを考慮すると海外遠征を含んだ今大会を戦い抜いた選手の経験が最も生かされるのは、26年のWBCより先になるかもしれない。だが、いずれ必ずくるであろう世代交代の時期を迎えたとき、今回のプレミア12はとてつもなく意義のある大会となっている可能性が高い。 勝つたびに増す重圧と戦うことは、希少な経験で成長の糧になる。直接的には次回WBCの試金石にならなくとも、その先も続く日本球界には欠かせない9試合となった。