アルツハイマー病の治療薬「レカネマブ」 患者への投与が始まる 2週間に一度の通院が1年半必要 投与できるのは『早期の患者』だけ
アルツハイマー病の画期的な治療薬「レカネマブ」の患者への投与がついに始まりました。 ■【動画で見る】アルツハイマー病の治療薬「レカネマブ」 患者へ投与始まる 2週間に一度の通院が1年半必要 番組では、京都で初めてレカネマブを投与された女性を取材。治療にたどり着くことができたのは、家族のおかげでした。
■アルツハイマーの原因物質を取り除く初の治療薬
京都市山科区に暮らす80代の女性は2年前、「アルツハイマー病」と診断されました。 薬を飲み忘れるなど物忘れが増えたことに夫が気づき、病院で検査を受けました。 【女性の夫】「この頃は『あれない、これない』と物を探す時間が増えました」 【患者の女性】「物を探すのに『あれ知らん?これ知らん?』って聞くのが、会話の一つになってます」 根本的な治療法がなく、「不治の病」といわれるアルツハイマー病。 病気が進行すると、着替えなどの日常的な動きができなくなり、寝たきりの状態になります。 先が見えない中、光が差したのが「レカネマブ」の開発でした。 アルツハイマー病は、原因物質の一つとされる「アミロイドβ」が神経細胞を傷つけ、認知機能が低下すると考えられています。 「レカネマブ」は、アミロイドβ自体を取り除く初めての治療薬です。病気の進行を遅らせ、認知機能の低下を緩やかにすることが期待されています。 国に承認され、2023年12月から販売が始まりました。 【洛和会 音羽病院 脳神経内科 和田裕子医師】「決して記憶が良くなるのではなく、道に迷うとか介助が必要な能力が落ちるのが非常に遅くなる。すごくいい始まりだと思う。(アルツハイマー病の治療は)暗いトンネルの中で光が見えない状況だったので」
■投与のため2週間に一度の通院を1年半継続
2月末、夫婦は病院を訪れました。京都府で初めて「レカネマブ」の投与を開始したのです。 約1時間の点滴で投与。2週間に1回の通院を1年半続けなくてはいけません。 「レカネマブ」は壊れた神経細胞を再生させることはできないため、投与できるのは早期の患者だけです。 女性が病気にいち早く気づけたのは、いつも近くにいた夫のおかげでした。
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